SUMCOと台湾プラスティックグループ(台塑集団:Formosa Plastics Group)の合弁会社であるフォーモーサ・サムコ・テクノロジー(台塑勝高科技:Formosa SUMCO Technology)が、282億6000万NTドル(約1150億円)を投じて台湾に300mmウェハ製造工場を新設すると日本ならびに台湾メディアが報じている。
それらによると、新工場は2024年に稼働を開始する予定だというが、生産能力など詳細は明らかになっていない。しかし、TSMCは2022年より新ファブにて3nmプロセス(N3)を用いた量産を開始する計画であるほか、新竹に2nmファブ、高雄に7/6nmと28nmファブの建設も計画している。加えて複数の台湾中堅半導体メーカーも工場の建設を進めている段階であり、台湾でのウェハ需要が今後大きく伸びることが予想される。
SUMCOは9月に伊万里(佐賀県)に新工場を建設するとともに大村(長崎県)の子会社の製造棟を増築するなど総額2287億円をかけて300mmウェハを増産すると発表しており、台湾での増産も進めるということとなれば、グループとしてさらなる増産体制が構築されることになる。同社によると、半導体デバイスの需要増加に伴う世界的な半導体供給不足で、300mmウェハのみならず、小口径ウェハの需要も増加傾向にあり、今後しばらくはシリコンウェハの供給不足が続きそうだという。
なお、SUMCOはシリコンウェハ業界で売上高2位の位置につけている。その2021年第3四半期の売上高が過去最高となる867億円となったという。第4四半期はさらに885億円まで伸びる見込みとしており、営業利益についても2021年第1四半期以降上昇を続けている。このため、同社は2021年通年の売上高も前年比14%増の3329億円、営業利益も同33%増の505億円、純利益も同41%増の359億円を見込んでいる。