島津製作所は10月7日、同社のエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)シリーズとして、従来機「EDX-7000」と比べ、分析速度を最大3倍、分析感度を最大1.7倍に向上させた最新モデル「EDX-7200」を発表した。
EDXは、試料にX線を照射して発生する蛍光X線のエネルギー(波長)や強度を解析することで、試料を構成する元素の種類や含有量を調べる装置。同社のEDXシリーズは、Na~Uまでの元素の種類や含有量を化学的な前処理不要で、固体、粉体、液体など試料の形態を問わず、置くだけで非破壊で調べることが可能という特徴を有している。
EDX-7200は、近年の環境規制物質の広がりを受けて、電子機器や自動車、部品供給メーカーなどから、対象となるClやBr、Sb、Sn、Pなどを分析したいというニーズが高まっており、従来以上の高感度での分析を実現することを目的に開発されたモデルという位置づけで、高速計数回路や新搭載の1次フィルタを搭載した新開発基板を用いることで、高速化と高感度化の両立を実現したという。
これにより、例えば銅合金やはんだ、アルミ合金中における鉛の検出下限は従来型装置に比べ大幅に向上したとしている。
また、「真空測定ユニット」「ヘリウム置換測定ユニット」「微小部分析キット」といったオプションが用意されているほか、SnとP向け分析キットも新たに追加され、環境規制対応ニーズに応えたともしている。
なお、定価は880万円(税別)で、同社としては2022年度に国内110台、海外150台の合計260台の販売を目指すとしている。