Preferred Networks(PFN)6月14日、神戸大学と共同開発した深層学習用プロセッサ「MN-Core」の専用ソフトウェア(コンパイラ)を開発し、深層学習における複数の実用的なワークロードの計算速度を最大で従来の6倍以上高速化することに成功したと発表した。

同成果の詳細については、半導体技術に関する国際会議「2021 Symposia on VLSI Technology and Circuits」にて6月15日に発表される予定だという。

MN-Coreは、PFNの深層学習専用プロセッサとして開発され、2020年6月にスーパーコンピュータ(スパコン)の省電力性能を示すGreen500ランキングで1位を獲得したPFNのプライベートスパコン「MN-3」に搭載されていることで知られるアクセラレータ。今回、深層学習のフレームワークとしてPFNで広く活用されるPyTorchからシームレスにMN-Coreを利用するための専用コンパイラを開発したことで、深層学習のさまざまな既存ワークロードに大きな変更をすることなく、MN-Coreによる計算速度の高速化を実現したという。

  • MN-Core

    MN-Coreのチップ外観

同コンパイラを用いてMN-Coreの性能評価を行った結果、従来の汎用GPUを搭載したPFNのスパコン「MN-2」と比較して、画像認識において6倍以上、グラフ処理において約3倍の高速化を達成したという。

  • MN-3

    深層学習ワークロードにおけるMN-2とMN-3 (MN-Core)の単位時間あたりの処理性能比較

なおPFNでは、今後もプロセッサをはじめとする計算資源の拡充、ハードウェアの性能を最大限引き出すソフトウェア群の開発を通じて、深層学習技術の研究開発を積極的に行っていく予定としている。

2021年6月23日訂正:記事初出時、「インスタンスセグメンテーションにおいて6倍以上」と高速化について記述しておりましたが、PFN社より「正確には、インスタンスセグメンテーションだけでなく、オブジェクトディテクション(物体検出)のモデルも含まれているため、グラフ中のモデル名および本文の表記を修正した」との連絡を受けたことから、当該箇所の修正ならびに図表の差し替えを行わせていただきました。