パナソニック ライフソリューションズ社は5月31日、同社が2021年3月31日より試験的に公開してきたBIM(Building Information Modeling:BIM)における照明のシミュレーションなどを高速に行えるフリーソフトウェア「Lightning Flow」を6月21日にアップデートを実施し、照明設計向けに本格展開することを発表した。
3次元(3D)モデルを活用し、平面図を用いずに建築を行うことを可能とするBIMは、新たな建築手法として世界で活用が進められている。BIMでは、建築物に対する光環境を構築するために照明シミュレーションが活用されるが、光の色や強さ、物体の反射特性を考慮しながら大量にある光の飛び方を計算する必要があるため、計算に時間がかかるという課題があった。また、設計ワークフローの中において、既存の照明シミュレーションソフトの多くは連携ができていないため別途照明シミュレーションソフト上に照明データを再配置する必要があるという手間や、BIMに戻す際にも同様の手間がかかるという課題もあったという。
Lightning Flowは、そうした課題の解決を目指して開発されたリアルタイム照明計算ソフトで、ボタン一発でオートデスクのRevitとの間で建築データや照明データの受け渡しを可能としたほか、アニメーション動画(mp4)作成などのサポート機能も搭載しているという。
また、アップデートにより、パナソニックの約2万点の照明器具に対応するほか、自社の照明設計ソフト「ルミナスプランナー」とRevitのデータ連携機能も追加されるとのことで、これによりルミナスプランナーで照明の一括配置を行い、それをRevitに反映させ、Lightning Flowでイメージを確認するといった一連の作業を行うことが可能となるという。