宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月27日、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「リュウグウ」のサンプルに対し、初期記載の一環として分光観察を行った結果、水に関連する特徴ならびに有機物に関連する特徴を確認したことを明らかにした。

具体的には、FTIR(連続赤外分光)およびMicrOmega(赤外分光顕微鏡)で測定したところ、波長2.7μm付近で水に関連する特徴を、3.4μm付近で有機物や炭酸塩などに関連する特徴をそれぞれ確認したという。

  • はやぶさ2

    リュウグウが持ち帰ったサンプルの分光観測の例。画像はMicrOmegaを用いて撮影したサンプルのもの (C)JAXA/(C)MicrOmega/IAS/CNES

なお、JAXAでは6月以降にサンプルをチャンバから出して初期分析を開始する予定としており、それにより、より詳細な分析を進めていきたいとしている。

また、はやぶさ2が地球に持ち帰ったサンプルを入れていたカプセルの公開が、3月ならびに4月上旬にかけて、相模原市立博物館ならびに国立科学博物館で行われたが、日本各地での公募巡回展示を8月以降に開催する予定で、4月27日付で展示先の募集を開始したという。募集締め切りは2021年5月21日で、結果の通知は6月18日を予定しているという。