花粉が肌に付着することで肌荒れを引き起こす可能性があることを確認し、その仕組みを解明したと発表した。同社は、今回の発見について、これまでの常識を覆す発見としており、花粉アレルギーの有無に関わらず、肌のケアの重要性が示されたとしている。
資生堂は、これまで花粉による肌荒れはアレルギー反応(花粉症)によって引き起こされるとされてきたが、スギ花粉では、花粉症の有無に関わらず 花粉が肌に付着することで肌荒れを引き起こす可能性があることを確認し、その仕組みを解明したと発表した。
研究チームは、これまでの研究でスギ花粉により細胞が興奮して、肌のバリア機能を低下させることを明らかにしていた。 今回の研究ではその仕組みを詳細に解析。その結果、スギ花粉に含まれる抗原タンパク質「Cry j1(クリジェイワン)」が肌に付着することで血液凝固因子として知られてきたタンパク質「トロンビン」が活性化、表皮細胞が興奮し、肌本来の油分としてバリア機能を担う細胞間脂質が減少、水分が蒸散することで肌荒れが起こるということが分かったとしている。
また、トロンビンの活性化が肌荒れの原因であることに着目し、薬剤を探索した結果、「グルタミン酸」、「システイン」、「グリシン」から成る「トリペプチド」がトロンビン活性を阻害し、皮膚表皮細胞の興奮を抑え、細胞間脂質の分泌を元に戻す事を発見したという。
同社は、今回の発見について、これまでの常識を覆す発見で花粉アレルギーの有無に関わらず、肌のケアをする重要性が示されたとしており、今後も花粉から肌を守るための研究を続けていくとしている。