フィックスターズは、量子コンピュータの技術を活用したアプリケーションの開発者向けに、 量子アニーリングをはじめとする主要なイジングマシンに対応したミドルウェア「Amplify」と 10万ビット以上の問題の入力と実行が可能なGPUアニーリングマシン「Optigan」を実行環境としてセットにした開発プラットフォームの提供を開始したことを発表した。 同プラットフォームを使用する事で、PoCから実社会問題まで幅広い範囲を対象としたアプリケーションの効率的な開発が可能になるとしている。

社会のさまざまな場面で存在する「組合せ最適化問題」を高速に処理する次世代のコンピュータとして期待されているのが、 量子アニーリングマシンをはじめとするイジングマシンである。 しかし、量子アニーリングマシンやイジングマシンを十分に活用するには高い専門性が求められ、マシンの実行には複数の手順を踏む必要があり、実行結果の取得においても、 マシンの出力データに対しこの手順の逆を辿る必要があるなど、複雑なプロセスへの理解と実践が開発者に要求されるため、 使いこなせる人材や環境が限られているのが現状である。

こうした背景を踏まえ同社では、 より多くの人に対しシンプルかつ短期間でアプリケーションの開発が可能になるよう、アプリケーション開発で使用可能な Python/C++言語のライブラリとして、ミドルウェア「Amplify」を、そしてミドルウェアからネットワーク経由で計算機能を提供し、課題を定式化した数式をプログラムコードで記述するだけで、ハードウェアの仕様や制限を意識すること無く、マシンの実行と結果の取得が可能になるGPUアニーリングマシン「Optigan」の提供を開始することを決定したという。

さらに、同プラットフォームは大規模な課題が実行可能なため、これから量子アニーリングやイジングマシンに触れる開発者であれば、初期の学習フェーズから実際のアプリケーション開発まで一貫して行うことが可能であるともしている。

  • 開発プラットフォームの全体像

    「Amplify」「Optigan」を活用した量子アニーリングマシン向けアプリ開発プラットフォームの全体像

同サービスは、2020年6月にモバイルコンピューティング推進コンソーシアムが発表した「量子コンピュータの産業応用実装に向けた実証実験成果報告」内の「物流センターにおける人員配置最適化」の事例紹介では、 物流センターの梱包・出荷作業に従事する作業者100名を対象とした人員配置最適化について検討を行い、作業者のスキルを考慮した最適な人員配置表を短時間で作成出来るだけでなく、 「午後2時間だけ働きたい」といった作業者からの要望にも即座に提案を行い、効率的かつさまざまな働き方の支援を可能にするなど、すでに複数のプロジェクトで利用実績があるとのことで、今後、同社では、同プラットフォームの提供を通じて、顧客のビジネスのさらなる加速を支援していきたいとしている。