中国・清華紫光集団傘下の新興NANDフラッシュメモリメーカーYangtze Memory Technologies(YMTC:長江存儲科技)が2020年第3四半期(7-9月期)にSSD市場に進出する可能性があると台湾や韓国の複数メディアが伝えている。武漢の自社工場で製造している64層3D NANDを採用する予定で、当面、中国内のPCメーカー向けに自社ブランドSSDを売り込む模様だ。
YMTCは2020年4月に中国企業で初めて128層3D NANDを開発したことを発表したが、その128層品の最初のアプリケーションはコンシューマSSDであり、その後にエンタープライズSSDへと進出、将来の5GおよびAI時代の多様なデータストレージニーズに対応していくという予定を明らかにしていた。しかし、128層品の量産は2021年以降の見込みであり、SSDの第1弾製品として64層品を用いて、顧客の感触を掴んだ上で、その後、本命の128層品を投入するのではないかと見られる。
こうした動きを報じた1紙である韓国のある経済新聞によると、韓国半導体業界では、「最近の米国の中国に対する牽制にもかかわらず中国企業の半導体崛起は尋常でない」との分析が出ており、SSD分野で世界トップシェアを保持するSamsung Electronics関係者による「韓中間の技術格差は存在するが、中国企業の市場参入は重要な市場変化の要因となるので警戒を緩めずにいく」との談話を紹介している。
なお、YMTCは具体的なSSDに関する製品ロードマップについて表向きには明らかにしていない。