AGCは3月12日、独自開発のガラス輸送に使用されるガラスパレットの位置管理システム「パレットIoTシステム」の本格運用を開始したと発表した。

ガラスパレットはガラスを輸送する際に使用する荷台で、鉄製のリターナブルタイプが用いられ、毎年約1割が回収不能となり、パレットの追加製作が必要になったり、パレットの所在地維を把握しきれずに、滞留や散在が発生する一方で、必要な場所やでは状況で不足する事態も発生しており、物流業務の非効率化につながることが課題とされていた。

今回開発したパレットIoTシステムは、アルプスアルパインの物流資材管理用IoTモジュール「物流トラッカー」から送信される情報を地図上に一覧表示し、各パレットの位置情報、移動履歴、滞留情報などを可視化するもの。物流担当者はパレットの位置や動きをリアルタイムで把握することで、輸送業務を効率化するとともにパレットの滞留・紛失を防止することができるようになるという。

  • アルプスアルパイン

    アルプスアルパインの物流資材管理用IoTモジュール「物流トラッカー」

2019年に試験導入を実施。2020年3月2日より大量輸送ができる大型パレット約1400台を対象に、本格運用を開始したという。これにより、同社では、以下の効果を期待するとしている。

  • AGC

    ガラス輸送に使用するパレットとパレットに取り付けられた物流トラッカー

  • パレットの紛失を半減し、コストを削減する
  • パレットの位置、在庫、滞留情報を輸送ルートや積載などの輸送計画に反映させることで、輸送効率を向上させる
  • 輸送効率化により、輸送時のCO2排出量を1~5%削減する

なお、同社では今後、同システムの対象となる製品を拡充するほか、欧州やアジア地域への導入を進めることで、2022年までに対象パレットを30000台に増加することを検討しているという。