アドバンテストは、12月11日~13日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている半導体製造工程から、 自動車やIoTなどのSMARTアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2019」にて、5Gで用いられるRFデバイス/モジュールの測定が可能な「V93000 Wave Scale Millimeter」などの展示を行っている。
5G対応端末の登場とともに、サービスインが徐々に世界各地で始まろうとしているが、5Gは通常の通信に用いられるサブ6GHz(6GHz以下)の周波数帯のほか、将来的には高速通信を実現する数十GHzの周波数帯の活用が検討されている。同測定ソリューションは、モジュラー方式のミリ波周波数帯(mmWave)双方向ポートを最大64有しており、そうした将来的に測定が必要となる高周波数帯に対しても最大70GHzまで対応することができるという特徴を有している。
5G向けGaN HEMTで電子ビームに脚光
このほか、同社ブースでは電子ビーム(EB)露光装置「F7000/F7500」の紹介も行っている。新型となるF7500は、5Gのパワーアンプとして用いられるGaN HEMTのT型ゲート構造(Tゲート)を作成する際にEBが向いているとのことで、露光速度の高速化をはかり、量産プロセスに対応を図ったEB露光装置で、5Gの商用化に向けて注目を集めているという。
また同じEBを用いたフォトマスクの微細パターン寸法の計測を安定的に可能とする多次元観察・測長SEM「E3650」もEUVを用いたデバイス量産が進められていることもあり注目を集めているという。E3600シリーズの最新機種という位置づけで、前世代(E3640)と比べ、測定スループットを2倍に、MAM(Move Acquire Neasure) Timeを1/2に、測定精度を30%向上させることを可能としたという。
産業や車載用SSDの試験も可能なテストシステム
このほか、同社ブースでは、-4℃~+105℃(オプションで125℃まで対応可能)の温度試験が可能なSSDテスト・システム「MPT3000ARC」の紹介も行っている。
NAND価格の下落や、駆動系がないことによる高信頼性などを背景に産業分野や自動車へのSSDの搭載が今後、加速していくと見られており、産業グレードや車載グレードに要求される温度範囲のテスト需要は高まっていくことが見込まれている。
また、SSDとしてもPCIe Gen4プロトコルへの対応による高速化やサーバ分野でのオールフラッシュNVMe最適化ストレージのためのオープン業界標準「EDFSS」といった新規格が次々と登場しており、同テスト・システムではそうした最新規格のテストにも対応。PCIe Gen4についてはPCI-SIGより認証も取得済みだという。
ちなみに、研究開発向けの「MPT3000ES2」、信頼性試験用の「MPT3000EV2」、および量産試験用の「MPT3000HVM2」と同じサイトモジュールと電源モジュールを備えているため、設計から生産までのSSD試験をカバーすることが可能だと同社では説明している。