半導体市場動向調査分析会社である米Semiconductor Intelligence(SI)は、2019年の半導体市場成長率(前年比)について、2001年のITバブル崩壊時に記録した前年比32%減、1985年に記録した同17%減に続く、史上3番目の下げ幅となる同15%減となるが、2020年ならびに2021年は同1桁%のプラス成長が続くとの見通しを明らかにした。 2019年の市場減速の最大の要因はメモリバブルの崩壊。世界半導体市場統計(WSTS)も、メモリ市場だけであれば同31%減、メモリを除いたほかの半導体市場全体は同4%減との予測を出しているほどで、その背景には不確実な世界経済と、スマートフォンなどの需要牽引役である最終製品市場の弱さがあるとSIでは指摘している。
ただし2019年後半に入ると、市況が好転する兆しも見られるようになってきた。主要半導体企業各社が公開している2019年第2四半期業績ならびに第3四半期見通しを比べると、非メモリ企業は第2四半期に横ばいからプラス成長となっているほか、こうした企業の多くが第3四半期も手堅く成長する見通しを示すようになってきている。
なお、SIを含む半導体市場調査会社各社ならびにWSTSが発表している最新の2019年の半導体市場成長率は、そのほとんどが前年比12.5%~15%減という予測となっているが、2020年については、WSTSの同4.8%増からSIの同8%増まで狭い範囲ながらプラス成長に転じている。また、2021年については、IHS Markitのように2020年の同6%増に対して同10%増と成長が加速すると見ている調査会社がある一方、SIのように2020年の同8%増に対して同7%増にとどまるとしている調査会社もあるが、往々にして緩やかな成長が2年連続で続くとの見方を示しているところが大半のようである。