インターネットイニシアティブ(IIJ)と台Advantech(アドバンテック)は8月21日、アドバンテックが展開するIndustry IoT(IIoT)向けプラットフォーム「WISE-PaaS」の日本における展開で協業していくことを発表した。

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    IIJとアドバンテックのIIoT分野における協業の枠組み

WISE-PaaSはアドバンテックが2016年よりグローバルで展開を進めるIIoTプラットフォーム。工作機械などの生産設備や製造ラインに設置されたアドバンテックの産業用コンピュータやデバイスから、さまざまなデータをリアルタイムに収集し、設備や生産ラインの状況を可視化することで、予兆保全やリモート監視などを可能にする。

今回の協業では、WISE-PaaSの日本リージョンを共同で立ち上げ、日本市場向けサービス「WISE-PaaS JP(仮称)」として2020年1月より提供を開始することを目指す。両社は、それぞれが強みを持つ技術とサービスを相互補完することで、アプリケーションからハードウェア、クラウド、ネットワーク、セキュリティに至るWISE-PaaS JPに必要なサービスをワンストップで提供することで、日本におけるIIoTビジネスの拡大を目指すとしている。

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  • WISE-PaaS JPの全体像と基本構成

具体的には、エッジとPaaSならびにソリューションをアドバンテックが担当し、その間に介在するネットワークならびにクラウドサービス部分をIIJが担当するという枠組みで全体のソリューションを構築。これをアドバンテックがワンストップサービスという形式で提供することで、日本における製造業でのIIoT化の促進を図ろうというものとなっている。

アドバンテックは、協業相手としてIIJを選んだ理由について、「産業分野におけるデジタルトランスフォーメーションを実現するためには、クラウドやPaaSの活用が必要で、かつそれを特定の産業分野ごとに使えるものにしないといけない。しかし、そのすべてを1社でカバーできる企業はグローバルにみても居ないといえる状況である。だからこそ、今回、我々はIIJと協業する必要があった」(Advantech CTOのアラン・ヤン氏)と説明するほか、「工場を有する顧客のネットワークに入らずに、どうやってIIoTを実現するかが課題となっており、通信を実現するためのSIMをどうするか、セキュリティをどう担保するか、といった課題があった。そこで閉域網のネットワーク構築が可能な技術ノウハウを持ちつつ、マルチクラウドとの連携やマルチにキャリアネットワークの選択が可能な協業相手を見渡した場合、IIJしかありえなかった」(アドバンテック インダストリアルIoTグループ iFactory事業部 ディレクターの古澤隆秋氏)としており、アドバンテックにとっては「I love IIJ」といえる存在だと強調する。

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    左からアドバンテック インダストリアルIoTグループ iFactory事業部 ディレクターの古澤隆秋氏、Advantech CTOのアラン・ヤン氏、IIJ 常務執行役員の立久井正和氏、IIJ IoTビジネス事業部長の岡田晋介氏

なお、WISE-PaaS JPの提供後も両社は物流、運輸、交通、エネルギーなど業界特化型SIerをパートナーとして、連携を進めていくことで、WISE-PaaS JPが提供する仕組みを活用したドメイン特化型ソリューションの開発ならびに展開を図っていくとしている。すでにアドバンテックとは、プライムソリューションインテグレーターとして日本ラッドと協力関係にあるが、日本ラッドが、そうしたパートナーによるWISE-PaaS JPの導入、展開についての支援を行っていく予定としており、3社が協力して日本におけるWISE-PaaSのアライアンスエコシステムの構築を進めていき、産業界のさまざまな要望に応えていきたいとしている。

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  • ドメインに特化したSIerと連携することで、さまざまな業種での柔軟な導入の実現を目指す