2017年、2018年と過去最高の市場規模を更新してきたマイコン市場だが、2019年には一転して減速傾向となり、2019年上期(1~6月)の市場規模は前年同期比13%減、出荷数量も同14%減と低迷したとの調査結果を半導体市場動向調査会社のIC Insightsが発表した。

同社の調査によると、マイコンを搭載する電子システム全体的な軟調、自動車販売台数の減少、長引く米中貿易戦争による経済停滞、といった影響に起因しているという。

しかし、2019年半ばからマイコン市場は安定化の兆しを示しており、下半期には回復傾向となり、その結果、2019年通年の売上高は史上最高値176億ドルを記録した2018年比で5.8%減の165億ドルとなるほか、出荷数量も前年比4%減の269億個にまで持ち直すとIC Insightsでは予想している。

  • マイコン市場

    マイコンの市場規模と出荷額、平均販売価格の推移 (出所:IC Insights)

2020年以降は緩やかに成長が持続

2020年のマイコン市場は、同3.2%増の171億ドルと市場規模としては緩やかに回復するほか、出荷数量も同7%増の289億個と、過去最高値を更新する見込みだとIC Insightsでは予測している。同社の中期市場予測では、マイコンの2018年~2023年にかけての年平均成長率(CAGR)は3.9%で、2023年には市場規模で213億ドル、出荷数量ベースでは382億個に到達するとしている。

マイコンの出荷数量の増加は、さまざまな機器の自動化、センサの増加、IoT市場の拡大などの要因によって牽引されている。一方で、市場の活性化に伴う価格の下落、特にArmを中心とする32ビットマイコンの2013年~2018年にかけての平均販売額は年平均で16.1%減と下落し続けてきており、2018年~2023年の平均販売価格も年平均3.7%減と、勢いは緩まるものの、下落傾向は持続されると予想されている。

なお、マイコンの最終製品市場として最大規模となっている自動車分野だが、その市場規模は自動車販売の低迷が始まった2018年には前年比1.1%増となったものの、2019年には同5%減の64億ドル、2020年は同1%増の65億ドルと、この1~2年は停滞するものと見られている。ただし、2021年以降は、センサ搭載数の増加、ADAS機能の強化などにより、成長が続き、2023年には81億ドル規模にまで拡大するものと予想されている。また、2019年のマイコン市場の約39%を車載マイコンが占めると予想されているが、そのうちIoT向け車載マイコンの比率は9%ほどと同社では推測している。