シャープは8月7日、高効率な色素増感太陽電池を電源とすることで、バッテリーの搭載を不要とした位置情報の特定のためのビーコン「レスビー」を開発。位置情報サービスの拡大に向け、第1弾として、7月末に清水建設の屋内外音声ナビゲーションサービス向けに納入したことを明らかにした。

ビーコンは、GPSの電波が届かない屋内や地下街などでの位置情報を把握したり、登録ユーザーが接近したことを感知し、プッシュ型の広告を送信したりといった使い方が進められているが、市販のビーコンの多くが何らかのバッテリーを搭載し、数ヶ月から数年に一度、交換を行う必要があるなど、メンテナンスの手間がかかることが普及の課題の1つとなっている。また、室内でも発電可能な色素増感太陽電池を用いたビーコンもすでに販売がなされているが、Bluetoothの電波の発信頻度は0.1秒が可能だが、そのためには1000lxの照度が必要であったり、300lx程度の照度で動作するが、発信頻度は1秒以上の間隔が発生してしまうなど、屋内での利用には制限があった。

  • レスビー
  • レスビー
  • レスビーの外観

今回、シャープでは同社が誇るモジュール状態で変換効率20%ほどという高効率を実現した色素増感太陽電池を活用することで、低消費電力のロジック内蔵型Bluetooth Low Energy v4.1準拠チップと組み合わせ、300lxの照度で0.1秒の発信頻度を可能とするビーコン(レスビー)の開発に成功したという。レスビーの動作照度は50lx~10000lxと広く、50lxの低照度環境であっても1秒に1回の発信頻度を維持できるという。

  • レスビー
  • レスビー
  • レスビーは、壁にねじ止めしたベースにツメではめ込むだけで設置が完了する

また、デザインにも照明のスイッチをイメージして、ほぼ同等となるサイズ(74mm×7mm×134mm)を実現したほか、白を基調とするデザインとすることで、さまざまな環境に取り付けても違和感を減らす工夫が施されている。

  • レスビー
  • レスビー
  • レスビーの概要

すでに清水建設ではレスビーを用いた実証実験を行っているほか、秋ころには実用化を予定しているという。またシャープでは、顧客の要望次第ではオプションとしてのバッテリーと組み合わせた形での提供なども行っていくとしており、位置情報サービス事業者のニーズに応じたビーコンの提供を図っていくとするほか、今後はより積極的に、高効率な色素増感太陽電池の販売に向けたマーケティング活動を行っていくとしている。

  • レスビー
  • レスビー
  • 実際のレスビーのデモの様子。途中で一度電波の受信が途切れているのは、太陽電池を覆って光が届かなくしたことで、通信が途絶した結果。覆いがなくなると自動的に通信が復旧していることがわかる