米IC Insightsは、2017年に前年比41%増、2018年も同11%増と金額の増加が続いてきた半導体業界における設備投資動向について、2019年は同15%減、2020年も同5%減と、2年連続でマイナス成長になるとの予測を発表した。
同社が1983年より行っている半導体における設備投資額に関する統計によると、統計開始の1983年以降、設備投資額が1年もしくは2年にわたって2桁のマイナス成長を記録したのは、1985-1986年、1992年、1997-1998年、2001-2002年、2008-2009年の6回で、3年以上にわたるマイナス成長はないという。
また、1983年から2010年の間において設備投資額が前年よりも減少したすべてのケースで、減少から増加に転じた年よりもその翌年のほうがはるかに投資額が増えており、45%以上の成長率をプラス成長に転じた翌年に発生することも多い。こうした上昇局面が2年、下降局面が2年という動きは、しばしばシリコンサイクルと呼ばれる半導体の需要と供給のバランスがもたらす動きとして表現されてきた。
なお、IC Insightsは、「2019年は半導体市場の低迷が予想されるため、ほとんどの半導体メーカーは2020年の設備投資に対する予算を保守的に見る可能性がある。Micronは、最近、2020年度の設備投資について、2019年度よりも大幅に低くなる予定であるとコメントしたが、IC Insightsでは、Micronのこの設備投資見通しが半導体業界全体の考えをほぼ代表したものであると捉えている」とコメントするほか、2013年以降、設備投資額の増減率が緩やかになってきていることについては、半導体産業が成熟してきたことによるもの、としている。