米VLSI researchは、[先に発表した半導体製造装置サプライヤのの顧客満足度調査ランキングに続いて、サブシステムサプライヤを含むカテゴリ別ランキングおよびこれら個々の企業の顧客満足度に関してもっとも強い要素の分析結果を発表した。
半導体製造装置のサブシステムを含むカテゴリ別サプライヤ顧客満足度で3つ星(10点満点で7.0点以上の得点)以上を獲得したサプライヤを同社では「ベストサプライヤ」と認定しているが、カテゴリ別では総合版とは異なり、大手サプライヤと中小サプライヤを区別することなく顧客満足度得点順ランキングを発表している。
テスト装置カテゴリでは、米Teradyneが1位で、アドバンテストは僅差で2位だった。いずれも5つ星を獲得した。
ファブ装置カテゴリのトップは、Plasma-Thermだった。日本勢としては、東京エレクトロン(TEL)が6位に、国際電気が7位に入っている。
大手半導体チップメーカー向けウェハファブ(前工程)装置カテゴリでは、トップはASMLだったが、国際電気(四つ星半)が僅差の2位に、TEL(3つ星半)が5位に、ニコンが星3つで6位に入った(ニコンは大手半導体装置サプライヤ顧客満足度ランキングでは11位)。特殊半導体チップメーカー向けウェハファブ装置カテゴリのトップは、Plasma-thermで、日本勢は、TEL(3つ星半)が4位に、日立ハイテクノロジーズ(3つ星)が8位に入った。
実装(後工程)装置カテゴリでは、ASMの傘下でシンガポールに本拠を置くASM Pacific Technologyのみが4つ星半でベストサプライヤとして認定された。
サブシステムカテゴリでは、Technoprobeがトップだったが、2位に日本電産傘下のSV TCL(5つ星)が入ったほか、4位に日本電子材料(4つ星半)が入った。
ここで取り上げられた日本企業6社の強みを見ると、
- 日立ハイテク:アップタイム、製品の性能
- 日本電子材料:製品の性能、販売後のサポート
- 国際電気:顧客との協業、販売後のサポート
- SV TCL:約束厳守、販売後のサポート
- ニコン:顧客との協業、サプライヤの信頼性
- 東京エレクトロン:技術的リーダーシップ、アップタイム
となっており、「販売後のサポート」が 3社に共通するほかは、各社は各様の強みを発揮していることがわかる。
図2 2019年世界半導体製造装置サプライヤ(検査装置メーカー、サブシステムサプライヤを含む)顧客満足度ベスト20社と各社が顧客から高く評価された項目 (出所:VLSIreserch)
ベスト20社のうち、「技術的リーダーシップ」を高く評価されたサプライヤは、アドバンテスト、TEL、Applied Materials(AMAT)、ASML、FormFactor、KLA-Tencor、Teradyneの7社だった。「顧客との協業(体制や姿勢)」を評価されたのは、アドバンテスト、国際電気、ニコン、AMEC、ASM Pacific Technology、ASML、Cohu、EVG、Technoprobeの9社であった。「サプライヤの信頼性(の高さ)」を評価されたのは、ニコン、ASM Pacific Technology、Cofuの3社。「販売後のサポート(の卓越さ)」を評価されたのは、日本電子材料、国際電気、SVTCL、Plasma-Thermの4社。「(ほかの人に購入を)推薦したいサプライヤ」として評価を得たのは、EGV、Lam Research、Plasma-Therm、SPTS、Technoprobe、Teradyneの6社であった。
なお、2019年版の顧客満足度調査は、5カ国語のいずれかで書かれた調査用紙を世界中の半導体製造装置やサブシステムのユーザーに配布し、2か月半かけて1820名から合計24514項目にわたる回答を得た結果による。半導体企業の86%、サブシステム顧客の87%をカバーしているという。サプライヤの実力、カスタマサービス、製品の性能を中心に質問して、最終的に10点満点で採点し、9点以上を5つ星、8.5点以上を4つ星半、8.0点以上を4つ星、7.5点以上を3つ星半、7.0点以上を3つ星として、それ以上の得点を得られた企業をベストサプライヤとしてVLSI researchは認定している。