Blue Prism Group チーフエバンジェリスト パット・ギアリー氏

Blue Prismは1月31日、記者説明会を開催し、新たな事業戦略「コネクテッドRPA」について説明した。新戦略については、Blue Prism Groupのチーフエバンジェリストを務めるパット・ギアリー氏が説明した。

ギアリー氏は、「われわれは、ビジネスパーソンに自動化を実現するパワーを与えることにRPAの価値があると考えている。また、これまで企業ではデジタル化がデスクトップにとどまっている一方で、IoTなどの技術の利用が進み、ギャップが生まれている。このギャップを埋めるのが、コネクテッドRPA」と語った。

同社は自動化のパワーを得たビジネスパーソンを「ビジネスイノベーター」と呼んでおり、ギアリー氏は「日本ではデスクトップ型のRPAが主流だが、拡張性が高いエンタープライズのためのRPAを使ってもらいたい」と述べた。

「コネクテッドRPA」は、企業がクラウド、AIおよびコグニティブ技術に簡単に活用できるようにすることで、革新的な方法で競争力を保てるようにし、新製品やサービスを市場に出すまでの時間の短縮も図るようにするもの。また、ビジネスパーソンが高度なデジタルワークフォースを活用することによって、創造力と革新的な力を発揮する「デジタルイノベーター」となり、既存の価値基準を打ち砕くような新しいサービスを考案、設計して迅速に展開する場でより活躍できることも目指す。

ギアリー氏は、「コネクテッドRPA」のポイントについて、「RPAはビジネス主導が基本だが、ガバナンスとセキュリティはITによって実現するべき。例えば、われわれは改竄防止の機能を備えた監査記録を提供するが、これはデスクトップ型RPAでは実現できないもの」と説明した。

  • 「コネクテッドRPA」の概要

「コネクテッドRPA」の構成要素として、「Blue Prism Connected-RPAプラットフォーム」「Blue Prism Digital Exchange」「Blue Prismコミュニティ」「Blue Prism AI研究所」が紹介された。

  • 「コネクテッドRPA」の構成要素

同日、同社のプラットフォームの最新版「Blue Prism v6.5」も発表された。最新版の特徴は、「日本語および簡体字中国語に完全対応」「IPv6サポート」「データゲートウェイの提供」など。

「Digital Exchange」は、Blue Prismプラットフォーム上で同社のパートナーが提供するサービスやアプリケーションを利用できるようにするコネクタを提供するストアだ。GoogleやIBMなど100以上のパートナーがAI、機械学習、OCRなどのコネクタを提供している。Digital Exchangeで提供されているコネクタはダウンロードして、Blue Prismのプラットフォームでドラッグ&ドロップによって導入できる。最新版の「Blue Prism Exchange 2.0」は、評価やコメントなどのソーシャル機能が追加されている。

  • 「Digital Exchange」でダウンロードしたコネクタはドラッグ&ドロップによってBlue Prismに導入可能

Blue Prism AI研究所はさまざまなAI分野の博士号レベルの科学研究者およびエンジニアが結集しており、始動したばかりだ。本部はロンドンに構えている。同研究所でAI機能を組み込んだBlue Prism製品を開発する。

AIに関連した機能としては、今後90日以内に、AI搭載型の文書処理機能をBlue Prismプラットフォームに組み込むことが予定されている。この機能は、デジタル化のための文書の分類、キー値ペアの抽出、エンコード検証ステップが可能なOCRシステムとしても機能する。

ギアリー氏は、「われわれはこれまで、AIについて、Best of Breedという戦略をとっていたが、自社で開発を進めるということで、方向転換した」と語った。

  • 「コネクテッドRPA」を支えるサービスなど