ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は10月25日、人工知能(AI)の推進に関する提言を発表した。

  • 人工知能は「過度な期待」のピーク期から幻滅期へ

    人工知能は「過度な期待」のピーク期から幻滅期へ

ガートナーによると、AIは2018年にアップデートされたハイプ・サイクルにおいて、「過度な期待」のピーク期の中でも幻滅期の直前に位置付けられているとし、2018年後半から一連のブームは去りつつあり、市場ではAIの捉え方が冷静になってきている側面が見られるという。

また、AIは、2019年以降幻滅期に入ると予想されるとしながらも、今後も重要なテクノロジであり続けることに変わりないとしている。幻滅期とは「これからが本番」という時期であり、企業がAIをより冷静に捉え、これまで以上に戦略的に推進する必要が出てきていることを意味している。ユーザー企業はAIのリアリティを適切に捉え、その可能性を継続的に探索し追求することが重要だとしている。

同社では、ユーザー企業がAIを推進する際には、現場の改善を中心としたAIの推進を意味する「改善レベル」と、企業が中長期の戦略イニシアティブとしてAIを推進する「戦略レベル」の2つのステージがあると考えており、一般企業においてAIの推進の多くは現場による改善レベルにとどまっているが、今後は一般企業であっても戦略レベルへと引き上げる必要があるとのことだ。

企業がAIに関する取り組みを再考するには、スポット的な改善やアピールを目的としたAIの事例だけではなく、継続的な改善のアプローチを採用すべきで、現場だけの短期的な改善ではなく、中長期の継続的改良を前提とした戦略的なアプローチが求められるという。高価なAIの導入はできないというケースも多いが、そもそもAIは継続的に学習させることが必須であるため、ユーザー自身でAIのスキルを身に付けていく必要があるとしている。