ルネサス エレクトロニクスは、ヘルスケア向けソリューションの一環として、血圧測定に必要なほぼすべての機能をパケージ化した「血圧測定評価キット」を開発したことを発表した。受注開始は5月10日、参考価格は5万9800円/個(税別)。
家庭へ浸透しつつある血圧計は、今後ウェアラブル端末としても普及が進む見込みである。これに伴い、血圧測定システムを開発した経験がないユーザーが、IoT機器の一環として開発するケースも増えている。しかし、血圧測定には波形を抽出するフィルタリング機能など独自のノウハウが必要で、一から勉強する必要があるという。
このたびルネサスがパケージ化した「血圧測定評価キット」は、そんな血圧測定システムを早期に開発できるよう、実際の血圧計に近い機能を搭載したオールインワンソリューション。同キットは、圧力センサ、カフ(腕帯)、ポンプ、電磁弁、LCDパネルのほか、血圧測定に必要なアナログ機能を内蔵したRL78マイコンの新ASSP(Application Specific Standard Product)を搭載したボードなどのハードウェアと、リファレンスソフトウェアおよび開発ツールで構成されている。
また、BLE(Bluetooth Low Energy)モジュールを搭載しており、測定データをContinua準拠のBPM(Blood Pressure Monitor)プロファイルでスマートフォンに送信することも可能。同キットの圧力センサやポンプ、電磁弁やPWMの制御はGUIツールから設定でき、システム構成が同じであれば、ユーザーの開発した実機においても同GUIツールを用いてシステム評価を行える。
さらに、ヘルスケア向けに最適なアナログ機能を内蔵した、新開発のASSP「RL78/H1D」を搭載している。豊富なアナログ機能とPWM(Pulse Width Modulation)制御用のタイマを内蔵しており、血圧測定に必要なシステムをワンチップで制御可能。血圧計だけでなく、ヘルスケア用途に向けて生体センシングの様々なアプリケーションにも使用可能となっている。RL78/H1Dのサンプル価格は、80ピンLQFP パッケージでフラッシュROMが128KB品「R5F11NMG」の場合、350円/個(税別)で、19日よりサンプル出荷を開始した。