カナダのアルバータ大学は2018年1月25日(カナダ時間)、「AI used to decipher ancient manuscript - Faculty of Science」において、Greg Kondrak博士および大学院生Bradley Hauer氏が、人工知能技術を使ってイタリアの古文書「ヴォイニッチ手稿」の解読に取り組み、同手稿がヘブライ語で記述されている可能性があることを発見したと伝えた。

「ヴォイニッチ手稿」は、解読できない文字と奇妙なイラストが記載されているイタリアの古文書。これまで何度も解読が試みられているが、成功していない。

Kondrak博士およびHauer氏は400言語分の「世界人権宣言」の文書をデータとして利用して言語の特定に取り組んだとしている。当初、アラビア語で記述されたものではないかと仮定していたが、分析の結果、ヴォイニッチ手稿はヘブライ語で記述された可能性が高いことが示されたと説明している。

  • ヴォイニッチ手稿 画像提供: Beinecke Rare Book & Manuscript Library、Yale University

    ヴォイニッチ手稿 画像提供: Beinecke Rare Book & Manuscript Library, Yale University

分析の結果明らかになったヘブライ語が適切な文章であるかを判断できるヘブライ語学者を探すことができなかったため、今回の分析ではGoogle翻訳を使って分析された文章を調査したという。文章は文法的に記述され意味も解釈できる「she made recommendations to the priest, man of the house and me and people(彼女は高僧、家長、私、人々に勧告した。)」という文章で始まっていたと説明している。この文章は書き出しの文としては奇妙なものだが、文章としては意味が理解できるものだとしている。

なお、古代ヘブライ語に関する歴史家による分析が行われていない現状では、「ヴォイニッチ手稿」の全文の意味は依然として不透明のようだ。