市場動向調査会社である台湾TrendForceは1月17日、中国における2018年末の300mmウェハ生産能力は、2017年末時点から42.2%増となる月産70万枚に達するとの予測を公表した。また、2018年の中国における半導体製造業界の売上高は前年比27.12%増となる1767億元に達するとの予測も併せて公表した。
中国では2016年から2017年末までの間に、28の半導体ファブが建設中あるいは計画中であり、そのうち、300mmウェハ対応ファブは20、200mmウェハ対応ファブは8となっており、これらのほとんどが2018年中に稼働を開始する見通しとなっている。現在、中国におけるIC製造のプレーヤーとしては、地元業者、外資系、そしてこれらのジョイントベンチャー(地元と外資の合弁企業。JV)が混在しており、その内、外資系とJVが高度なプロセス技術という優位性を武器に、総生産能力のほぼ半分を占めている。
一方、地元の雄であるSMICが主導する中国の半導体企業は現在、28nmのPoly/SiONプロセスの量産に力を入れているほか、28nm HKMG(High-K/メタルゲート)の量産および14nmプロセスの研究開発も進めているが、TSMC(南京)、United Semi(アモイ)、GLOBALFOUNDRIES(成都)などの外国企業も先進の製造プロセス技術を背景に競争に加わってきている。
また、中国外の国際的な巨大企業が長い間支配してきたメモリ分野では、Yangtze Memory Technologies(YMTC:長江在儲科技)、Fujian Jinhua Integrated Circuit(JHICC:福建省晋華集成電路)、Innotron Memory(睿力集成電路)などの新規国内企業が参入しているものの、中国外のメモリメーカーから特許や価格などで競争にさらされる状況にあるという。
中国政府は、多額の補助金を投じたり、ファンドを設立して国内半導体産業を積極的に発展させてきた。Trend Forceは、第1次および第2次の「ビッグファンド(大基金:国家IC産業投資ファンドの俗称)」や地方自治体からのファンドなどを含む投資総額は1兆元に近づくと予測している。なおビッグファンドは、SMIC、Huahong Grace、Shanghai Huali Microelectronics、YMTC、Silan Microelectronics、Navtechなどが進めてきた主要IC製造プロジェクトに投資を行ってきたほか、その他の主要プロジェクトについても現在交渉を進めている段階にあるという。