半導体市場動向調査企業である米IC Insightsは7月12日(米国時間)、世界の電子機器市場は、前年比で2%増の1兆4930億ドル規模に成長するほか、世界の半導体市場は同15%増の4193億ドルに達するとの予測を発表した。すでにGartnerが、2017年の半導体市場規模を4014億ドルとの予測を発表しているが、それに続き、4000億ドルを超す予測となった
ちなみにGartner、IC Insightsともに半導体市場予測をすでに2回ほど上方修正している。半導体メモリの価格高騰が続いており、年間を通してメモリ需給のひっ迫が続くと判断し直したようだ。
2021年には5000億ドルを突破
さらに、IC Insightsの予測では、2021年に半導体市場が5000億ドルを突破するとしているほか、電子システムへの半導体搭載率(電子システムの原価に占める搭載半導体の合計価格の割合)も史上最高の28.1%に達するともしている。
電子システム市場と比較して、半導体市場の成長率のほうがはるかに高いのは電子システムで使用される半導体の価値またはコンテントが増加しているためである。 2017年の携帯電話、自動車、PCの世界出荷台数はそれぞれ前年比で0%、2%、-2%と低調な伸びが予測されており、電子システム市場の低成長と半導体市場の高成長の差は電子システムに搭載される半導体のコンテントの増加に直接起因している。
過去30年にわたって、半導体コンテンツは増加傾向を示しているが、特に2017年の電子システムの平均半導体コンテンツが増加するのは、主にDRAMおよびNANDの平均販売価格の急増と過去の平均以下の低調な電子システムの売上高の伸びによるものだという。電子システムへの半導体搭載率は、2020年には28.6%、2021年には28.9%と着実に増加していくと予測されている。
もちろん、電子システムの半導体搭載率の増加には限界がある。半導体の割合が年々増加すると仮定すると、将来のある時期に電子システムの半導体搭載率が100%に達することになる。しかし、それはあり得ない。最終的な上限値は何%かはシステムごとによるだろうから、細かくは不明ながら、いずれにせよ上限値に達すれば、半導体産業の平均年間成長率は、電子システム市場の年間成長率(例えば、年間約4%)に近づくこととなるだろう。
なお、IC Insightsでは、上限について、少なくとも30%とみているが、予測期間内には達成することはないだろうともしている。