東電、電力設備を自動点検する「ドローン飛行支援システム」の開発を開始

東京電力ホールディングス、ブルーイノベーション、テプコシステムズの3社は3月24日、自律飛行するドローンが電力設備を自動点検する「ドローン飛行支援システム」の共同開発について合意したことを明らかにした。

従来、送電鉄塔や送電線といった高所の電力設備点検では、作業員による昇塔点検やヘリコプターからの目視点検が主であったが、2014年10月からはドローンを操縦者が飛行させ、設備状況を確認するといった取り組みが進められてきた。しかし、高所作業の安全性の問題や作業員の高齢化に伴う後継人材の不足などの課題に対応していく必要があったという。

同システムは、東京電力が蓄積してきた電力設備の点検技術・点検データ、ブルーイノベーションが保有するドローンの安全飛行管理技術、テプコシステムズが保有する設備保全のシステム開発・保守技術の3つを融合させて開発が進められることが予定されているもの。具体的には、システム上で点検設備を指定すれば、ドローンの最適な飛行経路・飛行計画を自動作成するシステムの開発を目指すとしている。また、高解像度カメラや赤外線カメラで撮影した映像を、専用のタブレットでリアルタイム確認を可能としつつ、映像データをサーバや業務端末に自動連携させるシステムの構築も目指すとしているほか、建物内の通信設備などに設置されている計器・通電ランプなどの表示状態についても、屋内点検用のドローンが自動点検し、点検後には自律飛行で充電基地に着陸可能な機能開発にも取り組んでいく予定としている。

なお3社は、今後の予定として、2018年4月をめどに同システムの実証試験を開始する予定としている。