国連の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO)は日本時間16日、各国のイノベーションをめぐるさまざまな要素を比較した2016年の「グローバル・イノベーション・インデックス(GII)」の順位を発表し、日本は16位、1位はスイスだった。日本は GIIの一部門である「イノベーションの質」部門で世界1位に選ばれた。

GIIは、WIPOと米コーネル大学などが、研究開発投資のほか国際特許出願、科学技術論文などイノベーションに関係する82項目を対象とする128カ国別に点数化して比較、その結果の順位が毎年発表される。経済成長の推進力としてイノベーションをとらえる視点が重視されると言われている。今年は9回目。GIIの2位以下はスウェーデン、英国、米国、フィンランドの順。日本は昨年より3位順位を上げて16位。中国が昨年の29位から今年は25位になった。

「イノベーションの質」部門は、GII順位選定の中でも各国のトップクラスの大学の水準や国際特許出願と科学技術論文数などに焦点を置いて詳しく評価されるという。日本に続き米国、英国、ドイツが選ばれた。中国は17位。

WIPOは世界規模で知的財産権を保護する目的で1970年に設立され、現在189カ国が加盟。本部はスイスのジュネーブにある。

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