STマイクロエレクトロニクス(ST)は8月8日、アーク放電耐性を持つ新しいTO-220 FullPAK(TO-220FP) wide creepageパッケージで提供されるパワーMOSFETの製品ポートフォリオを発表した。
同ポートフォリオは、オン抵抗の低い600V耐圧パワーMOSFET4品種(MDmesh M2、定格電流:8~34A、安全規格認定取得済み)、1500V/1200V耐圧のSTFH12N150K5 /STFH12N120K5(MDmesh K5、2016年第3四半期末までに安全規格認定の取得予定)で構成されている。
テレビやPCなどの機器で一般的な電源アダプタにおいては、パッケージ端子間のホコリや塵に弱く、汚染によって高電圧のアーク放電が発生することがある。従来のパッケージは端子間の距離が2.54mmしかなく、端子間の放電防止のために、メーカは樹脂ポッティング、リード・フォーミング、絶縁スリーブ、絶縁シールなどの追加工程が必要になる場合があった。
同パッケージでは、端子間距離が4.25mmに広げられたため、安全規格への適合と同時に不良率の最小化が行える。また追加工程も不要になり、製造工程の簡略化と生産性の向上が可能となった。従来のTO-220FPパッケージの電気特性は継承し、外形サイズも同等であるため、設計への導入が容易で、既存の組立工程との互換性も備えている。
現在、同社は、同パッケージで提供するパワーMOSFETを、大手テレビメーカ向けに増産中であるとしている。