HOKUSAIスパコンの利用状況
そして、最後に情報基盤センターの検先博生氏から、スパコンの利用状況が報告された。
理研の情報基盤センターのHOKUSAIスパコンは次の図のような構成になっている。主力は富士通のPROMEHPC FX100からなる超並列演算システムで1PFlopsの計算能力をもっている。さらに、SGI C2210GというGPU搭載システムと、1TB/nodeの大容量メモリシステムが付いている。そして、これらに2.1PBのオンラインストレージと7.9PBのテープサイロが付くという構成になっている。これらのサブシステムはフルバイセクションバンド幅のFDRのInfiniBandで接続している。
また、HOKUSAIの前のRICCシステムの一部も2016年12月末まで使用を継続している。サービスの継続性を維持するため、今後もこのような新旧併設期間を設けるアップグレードを行う予定であるという。
主力のHOKUSAI Great Waveシステムはサービスを開始した2015年4月は多少空きがあったが、それ以降は90%を超える利用率で、実質上、フルという状況が続いている。前世代のRICCスパコンから性能は10倍になったので、余裕があると思っていたが、予想よりも需要の伸びが大きく、使いたいときに使えないという状況になっているという。
HOKUSAIを利用しているユーザ別の総コア時間消費を図示したのが次の図で、高エネルギー物理が30.96%、原子核物理が20.62%で、この2分野で半分強の計算資源を使っている。さらに物性物理の18.40%、生物物理の12.84%などが大口ユーザである。今回の5件の発表をみても、これらの分野の研究が目立った。
そして、これまでは試験的な運用であったShoubuシステムを一般のユーザにも開放し、利用募集を行うことが発表された。Shoubuの利用は、理研の研究者に限らず、日本国内在住で、研究成果を公表するなどの利用条件に同意する人なら誰でも申し込める。7月に利用の公募を行い、20件程度を採択する予定であるという。