NECと日本信号は6月7日、成田国際空港の職員検査場において歩いたままでの顔認証を可能とする「ウォークスルー顔認証システム」と、爆発物の微粒子を高速に探知する「ゲート内蔵型爆発物探知システム」の実証実験を実施すると発表した

ウォークスルー顔認証システムは、NECの顔認証エンジン「NeoFace」を活用し、事前に撮影・登録した利用者の顔画像と、ゲートに設置したカメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行う。歩いて近寄る間に顔を撮影し、IDカードを読み取り機に着券後、即座に顔認証を行うためカメラの前で正対して立ち止まることなくスムーズな認証が可能。また、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすましを防止することもできる。

一方、ゲート内蔵型爆発物探知システムは日本信号が文部科学省の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」事業で日立製作所、山梨大学と連携し開発した。IDカードをゲートの読み取り部にかざした際に、高速の気流を利用して付着微粒子を採取し、内蔵した質量分析技術を用いた爆発物探知装置により分析することで爆発物の有無を3秒で探知。これにより、ゲートを通過する利用者の流れを妨げることなく爆発物の探知を実現するという。

今回、IATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)が世界で推進する航空保安セキュリティ技術の高度化のための活動の一環として、空港従業員向けセキュリティ検査に顔認証および爆発物探知を追加し、運用上の効果・課題を検証。実証実験の期間は6月14日~同16日までを予定している。