新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月31日、「ドイツ連邦共和国におけるスマートコミュニティ実証事業」において、太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプ、HEMS(Home Energy management System)を組み合わせたシステムの実証運転を開始したと発表した。

同事業は、NTTドコモ、NTTファシリティーズ、日立化成、日立情報通信エンジニアリングが共同で取り組んでいるもの。NEDOは、ドイツ・ラインラント=プファルツ州シュパイヤー市、シュパイヤー電力公社、住宅供給公社GEWOと協力し、エネルギーを地産地消し「エネルギー自己消費モデル」を実現する同実証事業を実施するため、2015年7月にシュパイヤー市およびシュパイヤー電力公社と基本協定書を締結していた。

今回、シュパイヤー市内の集合住宅(2棟×16戸)において、太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプ、HEMSを組み合わせた実証システムの構築が完了したため、実証運転を開始することとなった。

同実証システムは、日射量データや各世帯の負荷パターンに基づき、太陽光発電電力やエネルギー消費量を予測するとともに、仮想の電力料金モデルに応じて、電力系統への逆潮流および、需要家のエネルギー料金を最小化するようにHEMSの制御ロジックが構築されている。

また、2棟の集合住宅を「世帯単位」「棟単位」のタイプに分け、それぞれにおいてエネルギー自家消費率最大化を目指し、2018年3月までの約2年間、実際の生活環境のなかで実証システムを運転することで、その効果、信頼性、経済性を評価していくとしている。

「ドイツ連邦共和国におけるスマートコミュニティ実証事業」のイメージ図と実証サイト