毎年秋に開催され、今年で30周年を迎えたクリエイティブの祭典「TOKYO DESIGN WEEK(東京デザインウィーク、以降TDW)」。デザイン・アート・ミュージック・ファッションという4つのジャンルを設け、企業、ブランド、デザイナー、学校が最先端のクリエイティブを発信し、それを余すことなく体感できるイベントだ。

今年のテーマは「INTERACTIVE」(参加型の、相互作用的な)。テーマに合わせ、見るだけでなく遊べる展示もたくさん設置されていることもあり、週末は子供連れでもにぎわいを見せるイベントとなっている。

著名現代アーティスト・草間彌生氏の「浮世絵」

キングコング 西野亮廣氏の「西野アトリエ&カフェ」

数ある展示のなか、今回はマイナビニュースが注目した必見作品をいくつか紹介したい。

世界初のTDWオリジナルコンテンツ「コンテナ展」

入場して屋外会場の一番手前、貨物用コンテナを再利用し行われる「コンテナ展」。中でも異色で際立っていたのが「日蓮宗」のブースだ。なんとこちらではお経の流れる通路を進んでいくと、生前にして棺桶に入れるという非日常な体験ができる。

実際入ってみるとなんとも複雑な感情が沸き起こり、内側から顔の部分の扉を開けられると皆さん何かしら感じるものがある様子。体験を通して「生きているということ、命の大切さをもう一度見つめ直して欲しい」とこのアイディアを採用したとのこと。不思議な感覚をぜひ自身で体験してほしい。

全体に漂う不思議なオシャレ感

こちらが棺桶。中は思っていたよりも狭く、暗い

三途の川を渡る(!)とカードがもらえる

LOHACOのコンテナブース

さまざまな企業のデザイナーが、より"くらしになじむ" ことをコンセプトに考えた商品を、チームラボによる演出で展示。LOHACOでしか買えない、通常商品よりちょっぴりスタイリッシュな商品が紹介されている。

「伊藤園 瓶 お~いお茶 玉露 375ml」特別な日のおもてなしやギフトとしてもおすすめの原料と製法にこだわった緑茶飲料。希望小売価格は1000円(税別)

「リセッシュ除菌EX ナチュラルトーンデザインボトル」どこかあか抜けない除菌スプレーも、こんなデザインなら部屋のインテリアになじむ

ASIA AWARDS 学校作品展

会場内の屋外スペースと屋内テントにて各学校の作品を展示した「ASIA AWARDS 学校作品展」のテーマは「インタラクティブな遊具」。このセクションは世界中の学校から「School of ASIA」、「Student of ASIA」を選出し、グランプリ作品はミラノサローネ(TOKYO DESIGN WEEK in MILANO 2016)にて展示も予定されている。学生たちの熱いプレゼンテーションを聞きながら鑑賞・体験するのがオススメだ。

東京電機大学「錯覚する境界」

TDWテーマのアプローチとして「錯覚」をコンセプトとして作られたのがこちらの作品。 内側が外側に、右の景色が左に、中に入ると直線のみで作られた作品が曲線にみえたりとたくさんの「錯覚」がちりばめられており、作品が作品単体で完結するのではなく、来場者が参加して初めて作品が完成する様にデザインされている。

この日は美しい形のなかに青空が溶け込んでおり、気持ちのいい空間を作り上げていた

日本大学 生産工学部創生デザイン学科「ぶんしんのじゅつ!!」

みんなの夢「にんぽうぶんしんのじゅつ」を「じつげん」するための遊具

建築学生サークル♭「でこぼこ渓谷」

ダンボールで製作された、人が乗っても大丈夫な高強度の「積み木」。週末は子供たちで大変なにぎわいだったそう。

城西国際大学メディア学部「レイリファーリーフ」

植物に触れるようにテクノロジーに触れて楽しんでほしいというコンセプトでつくられた遊具。持ってみると葉から雨の音がして、茎から雨粒が葉に当たったときの振動を感じる。

こちらは触れるとオジギソウのように葉が閉じる

「Super Interactive & Robot Museum」

「ロボット、もしくは人間を拡張するデバイス」をテーマに、最新のテクノロジーを搭載したロボットをはじめ、さまざまアプローチから未来図を展開していくクリエイティブなイマジネーションの拡がる作品を展示している。

TIMECORD project「タイムコード食音植物ロボット」メディアアートや多くの実験的な広告作品を手がけるチームが手を組んで製作した、時間を表現する演奏ロボット。手元で流れるレコードをスクラッチすることで「花びら」部分の鉄筋から音が鳴ったり、音波をセンターの映像に変換しながら花が開いていく

島谷直志(エーラボ)「ASUNA」昨年登場した日常をテーマとしたヒューマノイド「ASUNA」。リアルを追求した結果の「極端に美人過ぎないこと」でも話題だが、反応の早さと表情の豊かさにも目を見張る。日本語のほかにも英語や中国語、スペイン語での会話が可能。ちなみに、マツコデラックスを模したアンドロイド『マツコロイド』の開発を担当しているのもエーラボ

国内外のプロクリエイターによる個展形式の展示「プロ展」

「プロ展」のなかで特に目を引いたのは中島真範氏による「Tublock(チューブロック)」 こちらはつなぐ、まげる、わける、うごかすなど既存のブロックにはない遊び方、学び方ができるパイプつなぎブロック。配管継ぎ手メーカーと共同開発した配管のかたちを模しており、なめらかな形状が親しみやすく、つなげた後にさまざまな方向へと回転できるのが特徴で、車、動物からプラント工場まで、幅広いスケールの造形作成が可能だ。

大人でも楽しめる無限の可能性とデザイン性

来場者が作ったという不思議なキャラクター。サンプルとしても素晴らしい完成度だ

「100人展」

次世代のクリエイティブ業界を担うNEXTの100人の作品を展示する企画。こちらはプロダクト、インテリア、アート、グラフィック、ファッションなど、ジャンルを問わず世界中から公募で集められた幅広い作品が展示されており、にぎわいをみせている。

液体・半液体の物体で手を拭くという、本来なら不可能である行為に着眼し、液体をモチーフにデザインした飾るタオル「SLIMED」加藤啓太(NEIZER)

伝統と現代がミックスした新しいデザインのだるま「峰屋だるま」。食品サンプルをだるまの頭にのせた「パフェだるま」、まつ毛付きのレオパード柄のだるまなどカラフルで楽しいだるまは圧倒的に目を引く存在感だ※両者とも前期の展示内容、現在後期では入れ替えが実施されている

いかがだろうか。会場にはこのほかにも紹介しきれなかったたくさんの作品やイベントが盛りだくさんなので会期中にぜひとも足を運んでみてほしい。

ちなみにPepperくんは「Super Interactive & Robot Museum」でお姉さんと対戦ゲームをして、喜んだり悔しがったりしていましたよ。

TOKYO DESIGN WEEK 2015

【開催期間】 【前期】10月24日(土)~10月28日(水)
【後期】10月30日(金)~11月3日(火・祝)
 ※10月29日(木)は終日閉場

【時間】11:00~21:00(最終日は20:00まで)
【会場】明治神宮外苑絵画館前
【入場料】前売り券 2,500円、当日券 3,000円