中国の半導体ファウンドリ「SMIC(semiconductor Manufacturing International)」、および「Huawei」、ベルギーの独立系マイクロエレクトロニクス研究センター「imec」、米Qualcommの子会社Qualcomm Tradingの4社は6月23日、共同出資により中国・上海に新会社「SMIC Advanced Technology Research and Development (Shanghai)」を発足させると発表した。上海の新会社は、当面14nm CMOSロジック技術の研究開発に焦点を絞り、中国で最も先進的な集積回路の開発プラットフォームを構築する。
23日に北京の人民大会堂で行われた4社による共同出資の調印式は、中国の近習平 国家主席およびベルギーのPhilippe国王臨席の下で行われた。新会社の法定代表は、SMICのCEOであるTzu-Yin Chiu氏が兼務し、SMICのYu Shaofeng氏がゼネラルマネージャー(実質的なトップ)に就任する。
新会社は、第一段階として、imecの所有する先端半導体プロセス技術に基づき、量産に向けた14nm CMOSロジック技術を開発する。この開発は、既存のSMIC製造ラインを使って行う。株主としてファブレスベンダが加わることで、製品開発サイクルの短縮と先端プロセスノードのテープアウト時期の早期化が期待されている。この新会社の計画は2020年までに、中国本土に置いて16/14nmプロセスを採用したICの量産ラインを設置するという中国政府の半導体強化基本方針に合致している。TSMCは、新会社で開発された技術のIPを他社にライセンスする権利を有しており、将来、中国で、半導体メーカー各社と大学、研究所がこのプラットフォーム上で協業し、さらに技術を発展させることが期待されている。
SMICのChiu CEOによれば、4社共同出資による今回の新会社設立は、中国半導体産業の歴史において、最もパイオニア的事業だと言う。またimecのLuc Van den hove氏は「中国は、市場、製造両面で潜在的成長の可能性を有する点に注目している。4社が力を合わせて素晴らしい14nmプラットフォームを構築したい」と抱負を述べた。今回の新会社設立のセレモニーにわざわざベルギー国王や習主席が出席しており。中国とベルギーの関係が半導体はもちろんのこと、他の産業分野でもさらに深まると関係者はみている。