これらの同社の3D地図データは最初に紹介したWalk eye mapで作られているわけで、これまでは主に建築や設計関連の企業や個人向けに販売されてきた。ゲーム用としてはまた使用するデータのクォリティなどが異なるため、これまでとは異なる価格設定を行う予定だそうで、購入を考えている個人や企業の担当者の方はまずは相談してみることをオススメする。ちなみに建築や設計関連用の価格設定に関しては、数パーセルぐらいまでなら決して個人でも購入が不可能な価格ではないので、ゲームも桁が変わるほど大きくは変わらないのではないかと思われる。

同シリーズは発表された際のネットの反応は非常に好評だったそうで、宣伝効果が抜群だったという。カーナビや地図案内アプリなどは最終的に個人が利用する形になるので別としても、3D地図データはこれまで主に建築・設計業界向けのBtoBとしてサービスされてきたので、なかなかアピールが難しかったそうだ。しかし、今回のシティアセットシリーズを見たということで過去に取り引きのなかったゼネコンなどからもだいぶ引き合いが来るなど、「ゼンリンが3D地図データ製作を得意としている」ということを世間に強くアピールできたそうである。

そうした中、3D地図データはまだまだほかにも使い途があるはずだということで、ジオ技術研究所では常にさまざまな可能性を模索中だという。これはあくまでもアイディアレベルだそうだが、例えばゲリラ豪雨マップなどに使えたらという話もある。現在もゲリラ豪雨の2Dマップを扱った天気系サイトなどがあるわけだが、扱われているエリアが結構大まかだったりする。

なので、もし今後、現在試験運用中の最新型気象衛星「ひまわり8号」が本格稼働するようになると、対ゲリラ豪雨用の観測システムがかなりレベルアップするはずで(スキャン時間の短縮と回数の増加)、短時間で発生するゲリラ豪雨を降らす積乱雲の発達の様子なども把握できるようになり、そうしたデータを3D地図上に即座に活かすことができれば、よりわかりやすくなることだろう。画像37は、Walk eye Mapをベースに、筆者がイメージしてみたゲリラ豪雨予報の画面。

画像37。3Dゲリラ豪雨予報のイメージ

そのほかにも、例えば排気ガスだとかPM2.5だとか花粉だとか、さまざまな人体に害を及ぼすものの地域ごとの空間的な濃度などを表示するのにも使えたりする。2Dマップに対して非常に視覚に訴えるのでわかりやすい。なにはともあれ、もし3D地図データの使い方に関してアイディアをお持ちだという方がいたら、ぜひ打診してみるといいかも知れない。もしかしたら高額で採用されるかも!?