Intelは5月5日(米国時間)、ミッションクリティカルな基幹業務やビジネスインテリジェンス/分析、仮想化などの分野向けXeonプロセッサの新ファミリ「Xeon E7 v3ファミリ」を発表した。
同ファミリは22nmプロセスの「Haswell-EX(開発コード名)」として開発されてきたもので、最大18コア/36スレッドに対応し、ラストレベルキャッシュは前世代の37.5MBから45MBへと増量(1スライスあたり2.5MB)。メモリもDDR3とDDR4の両方に対応しており(DDR4の動作速度はパフォーマンスモードで1333MHz/1600MHz、ロックステップモードで1333/1600/1866MHzに対応)、インメモリコンピューティングや高度な分析などのワークロード向けに8ソケット構成で最大12TBまで搭載が可能。また、Integrated Voltage Regulator(IVR)にも対応している。
Haswellコアは、前世代のIvy Brigde(開発コード名)に比べ、新命令を用いずとも、分岐予測の改良やバッファ容量の増加、TLB容量の増加、実行ユニットの増加、フロントエンドの改良などを施したことで10%のIPC向上を果たしたほか、L1およびL2キャッシュBWの倍増、および亜ラインしていないメモリ操作の改良による演算性能(Flops)の増加を実現している。
Xeon E7 v3は、E7-8800/4800ファミリとしてコア数と動作周波数、対応ソケット数の違いにより12製品がラインアップ。動作周波数は最大3.2GHzをサポートし、8ソケットまで対応。それ以上のソケット数も、サードパーティ製のノードコントローラを用いることで対応することが可能となっている。
Run Sureテクノロジーの拡張を実施することで、さらなるシステムアップタイムとデータ整合性を担保することが可能となったほか、DDR4に対応したことで、将来のワークロードにも対応できるようになった。また、QPIの帯域幅も1スレッドあたり9.6GT/sとなり、前世代から20%の性能向上を達成した。
性能面では新たにTSXとAVX 2.0をサポートしたほか、仮想化性能の向上に向けVMCSもサポート。各種の機能追加により、運用効率の向上としては、4世代前のXeon 7400ファミリ(開発コード名:Dunnington)比で9:1のサーバ統合を可能としたほか、信頼性としてはRunSureの拡張などが施されており、性能比較としては、前世代品と比べてLINPACKで1.68倍、SAS Mixed Analyticsで1.58倍、SAP HANA 1.0と最適化したIntel TSXの組み合わせでは5.9倍の性能向上を達成したという。
なお、12製品のコア数/動作周波数および参考価格は以下のとおり。
プロセッサナンバー | コア数 | 動作周波数(GHz) | LLC | 参考価格(ドル) |
---|---|---|---|---|
E7-8890 v3 | 18 | 2.5 | 45M | 7,175 |
E7-8880 v3 | 18 | 2.3 | 45M | 5,896 |
E7-8880L v3 | 18 | 2.0 | 45M | 6,062 |
E7-8870 v3 | 18 | 2.1 | 45M | 4,672 |
E7-8893 v3 | 4 | 3.2 | 45M | 6,841 |
E7-8891 v3 | 10 | 2.8 | 45M | 6,841 |
E7-8867 v3 | 16 | 2.5 | 45M | 4,672 |
E7-8860 v3 | 16 | 2.2 | 40M | 4,060 |
E7-4850 v3 | 14 | 2.2 | 35M | 3,004 |
E7-4830 v3 | 12 | 2.1 | 30M | 2,169 |
E7-4820 v3 | 10 | 1.9 | 25M | 1,502 |
E7-4809 v3 | 8 | 2 | 20M | 1,224 |