ルネサス エレクトロニクスは4月16日、同社の16ビットマイコン「RL78ファミリ」向けの開発環境としてCコンパイラ「CC-RL」を開発し、4月20日より発売を開始すると発表した。

同コンパイラを用いることで、ANSI-C準拠で記載されたプログラムを変更することなく、マイコンの処理性能を従来コンパイラ比で3倍に向上させることが可能となる。また、システムで重要となる割り込み応答性能も6倍に向上するという。さらに、従来のコンパイラからのプログラムを移植する「移行支援機能」を搭載しているため、従来のソフトウェア資産を有効活用することも可能だ。

加えて、高速処理が可能になったことで、搭載機器におけるマイコンの待機状態を長くすることが可能となり、消費電力の削減も可能になると同社では説明するほか、従来コンパイラ比でプログラムのコードサイズを平均で1割削減できることを確認しており、これによりプログラム格納用のメモリ内に、より多くの機能を搭載できるようになるとする。

このほか、MISRA-C:2004ガイドラインの項目をチェックする機能も搭載。コンパイル時に自動的にチェックが行われ、チェック漏れや対象ファイルの指定ミスを防ぐことが可能であり、システムの安全性を向上させることが可能となる。

なおCC-RLにはStandard版とProfessional版の2種類が用意されており、MISRA-Cチェック機能はProfessional版のみに搭載されている機能となる。また、同社の統合開発環境「CS+」のほか、グローバルで普及が進むEclipseベースの統合開発環境「e2 studio」と組み合わせて使用することができるという。

「RL78」マイコンの処理性能を高速化するCコンパイラ「CC-RL」のイメージ