Teledyne LeCroyの日本法人であるテレダイン・レクロイ・ジャパンは、リアルタイム・オシロスコープ用のPAM4信号を解析するソフトウェアを発表した。
PAM4伝送方式によってデータ伝送容量を従来の2倍に向上させようとする次世代高速電気/光通信においては、新しい伝送方式に応じた評価/解析手法を求められており、この新しいソフトウェアはこうした要望に応えるもので、PAM4信号の3つのアイで個別にアイパターン、ジッタおよびノイズ解析を行う。
PAM4伝送方式は、1シンボルを4つのレベルで表現することで、1シンボルで2ビットの情報を送ることができる。しかし、情報量を2倍にすることで2レベルしかないNRZ伝送と比較して信号が複雑になる。アイがNRZ伝送は1に対してPAM4伝送においては3つあり、遷移がNRZ伝送は2種類に対してPAM4伝送においては12種類もある。
このため、送信機デバイス、チャネルやリンクがどのようにPAM4信号に影響しているかを理解したり、PAM4信号の信号品質をビット・エラーと関連付けて定量的に評価することが必要となる。
従来のオシロスコープ用のシリアル・データ解析ソフトウェアは、NRZ信号を前提に作られており、PAM4信号の解析には4レベルの信号を解析する新たなソフトウェアが求められている。今回発表した新しいソフトウェアは、4レベルの信号伝送に特化して作成されており、PAM4信号の3つのアイで個別にアイパターン、ジッタおよびノイズの解析が行える。
ジッタとノイズは各々ランダム成分とデタミニスティック成分に分離してジッタとノイズの振る舞いを完全に把握する。ジッタとノイズの定量的な計測とEyeHeightやEyeWidthの計測に加えて、ヒストグラムやトラック、スペクトラムとしたさまざまな表示方式を用いることで問題の根本原因を探ることができる。