日立製作所は、小型・低床式無人搬送車「Racrew」を開発、9月1日から国内販売を開始すると発表した。

小型・低床式無人搬送車「Racrew」

一般的に、各種工場の製造ラインや物流倉庫では、作業者は、作業指示に応じて棚に保管されている部品や商品などを自ら取りに行くが、作業効率の向上や人件費削減の面からは、自動搬送システムの導入が進められている。

自動倉庫システムを導入すると、作業効率を向上できるが、初期コストが高くなるとともに、部品や商品の保管量や工場内のレイアウト変更などへのフレキシブルな対応が困難という課題がある。

今回、日立が開発した「Racrew」は、このような人手による作業と自動倉庫システムの両方の課題である、作業効率向上とコスト削減を実現。

同製品は、小型かつ低床であることから、棚の下に潜り込み棚を持ち上げ、そのまま指定位置まで自動搬送するため、作業者自身が移動することなく部品や商品などをピッキングできる。また、収集・蓄積した運用データをもとに、同社のデータアナリティクスのノウハウを活用した分析・シミュレーションを行うことで、利用頻度の高い部品や商品を積んだ棚を、短い搬送時間で済む位置に配置したり、渋滞の少ない搬送ルートを選択したりするなど、搬送効率を改善させる機能も有している。

同社は、同製品の導入により、専用搬送機を用いて棚から部品や商品の出し入れを全自動で行う自動倉庫システムに比べ、初期コストを約3割抑制するとしている。

外形寸法は幅900mm×長さ960mm×高さ380mm。積載荷重は最大500kg、走行速度は最大速度60m/分(無負荷時最大速度80m/分まで可能)。電源はリチウムイオン電池(自動充電機構付き)。