サイバネットシステムは12月2日、同社製のマルチスケールCAEツール「Multiscale.Sim(マルチスケールドットシム)」の最新版「Multiscale.Sim 4.5」の販売を開始したことを発表した。

Multiscale.Simは、マルチフィジックス解析ツール「ANSYS」をベースにしたカスタマイズ製品のことで、数値材料試験を基にした均質化法による等価物性値の算出やミクロ構造とマクロ構造の連携解析に必要なマルチスケール解析機能を搭載する。東北大学・災害科学国際研究所の寺田賢二郎教授の協力を得て、サイバネット、日東紡績、くいんとの3社が共同で開発した。

旧版は、ANSYSの解析専任者向け操作環境「Mechanical APDL」のGUI環境のみでしか利用できなかったが、最新版は設計者向け操作環境「ANSYS Workbench」でも利用可能になった(機能は線形均質化解析のみに限られる)。ANSYS Workbenchと組み合わせることで、材料ライブラリの管理、ロバストなモデリング・メッシング、パラメトリック解析などをマルチスケール解析で活用可能になるという。

また、ANSYSのモデルの作成・修正ツール「ANSYS Design Modeler」用の新たなテンプレートを追加したほか、温度依存性の線形均質化解析機能を追加したという。

画面のイメージ。主な機能として、複数モデル作成テンプレート、等価物性値のレポート出力、エンジニアリングデータの自動登録、数値材料試験のコンター・ベクトル表示などがある