テクトロニクス社は10月16日、設置/保守アプリケーション向けにポータブル波形モニタ「WFM2300型」を発表した。

同製品は、数多くの測定/モニタリング機能を装備しているため、システム問題をすばやく特定して診断し、解決することができる。既存の「WFM2200型」の全機能に加え、アイパターン/ジッタ測定機能とケーブルシミュレータ/マージンテスト、SFP(Small Form factor Pluggable)モジュールによる光インタフェース、Dolby Eモニタリング、ラウドネスメータ機能が装備されている。

サイズは高さ21.6cm×幅20.8cm×奥行3.6cmで、質量1.8kg(バッテリを含む)と小型かつ軽量を実現。また、ディスプレイにはLEDバックライト搭載のTFT-LCDを備えているほか、バッテリは交換可能なため、現場または局内で発生する問題のトラブルシュートに最適だと同社では説明している。さらにアイ/ジッタ測定機能は、物理層における問題特定に役立つほか、独自機能であるケーブルシミュレーションおよびマージンテストは、デジタルクリフに達することがないようシステムの同軸ケーブルマージンを設定することで、伝送エラーレートを低減することができるものとなっている。加えて、さまざまなステータス表示により、規格への適合性、オーディオ/ビデオ/データの仕様検証も行えるほか、エンベデッドテスト信号ジェネレータからのビデオ/オーディオテスト信号出力とGENロック機能は、同軸および光インタフェースからのシグナルパスの特定に使用可能となっている。

このほか同製品には設備ごとのアプリケーションに最適なオプションも用意されている。SD/HD/DL/3G-SDI、AES/EBU、LTC、コンポジット同期信号が標準で装備(3G-SDIはOpt. 3G)されているほか、オプションで光SDIインタフェース(Opt. SFP)が選択でき、放送局におけるSMPTE 297 SDIファイバ伝送システムの設置をモニタすることができる。これにより外付けの光/電気コンバータが不要になるため、使用が簡単になり、持ち運ぶ機器の数を減らすことができる。また、設備内でDolby E信号を伝送する場合、Opt. DBEを装備することで、Dolby E入力信号のピークオーディオレベルとメタデータがモニタでき、外付けのDolbyデコーダなしにチャネルの動作を検証することができる。さらに、放送局内でのモニタでは欠かせない作業であるオーディオラウドネスモニタリングに対しては、ラウドネスオプション(Opt. LOUD)を装備することで、数値によるLKFS/LUFS単位をスクリーンに表示可能となっており、これにより、オーディオバーなどの間接的な測定からのレベル推定が不要になる。データオプション(Opt. DATA)では、ANCデータパケットの有無が確認でき、設備内における問題のトラブルシュートが可能になるとしている。

設置/保守アプリケーション向けポータブル波形モニタ「WFM2300型」