日本マイクロソフトは9月2日、Surface Pro/RTの法人向け販売戦略発表会を開催し、認定Surfaceリセラーを通して法人市場でのSurface販売を開始することを発表した。

Surface RTはWindows RT搭載モデルでOffice 2013 RTをバンドルする。個人向けと同様に販売価格は32GBモデルが3万9800円、64GBモデルが4万7800円。

一方、Windows 8を搭載するSurface Proは、個人向けに販売されている128GBモデルは提供されず、256GBのみの販売となる。Office 2013は非搭載で販売価格は9万9800円と個人向けから2万円程度安い価格で販売する。

認定リセラーは「ウチダスペクトラム」「大塚商会」「キヤノンマーケティングジャパン」「日立システムズ」「富士ソフト」「リコージャパン」の6社。法人ユーザーについては、この6社からのみSurface関連製品を購入することができる。

タブレット、PCの両面を兼ね備えることが最大の魅力

日本マイクロソフト 代表執行役 樋口 泰行社長

発表会に登場した日本マイクロソフト 代表執行役の樋口 泰行社長は「法人流通チャネルの確立、仕組み作りに時間がかかったものの、法人販売ルートの整備ができた」と、満を持して個人/法人双方の販売体制が整ったことを語った。

樋口社長は、これまでにもPCのメリット、タブレット端末のメリットを兼ね備えたデバイスとしてSurfaceの優位点を挙げていたが、今回も改めて「タブレット端末を購入したところ意外とできることが少ないと気付き始めたユーザーが多い。そこにPCの利便性を持つSurfaceが登場した。一般消費者向けのセールスでは、対抗商品であるiPadを上回る週もあるなど大変良い評価をいただいている」とセールスの好調ぶりと合わせて語った。

法人向けにもこのメリットが生かせることを強調し「ICTを利用してワークスタイルを変えるという点でタブレットの需要が高まっている。特に小売業、保険業、金融業といった業界から注目を集めており、タブレット端末向けのアプリが利用可能でありながらもセキュリティ性が高くPCとしても使える新しいポジショニングを示したい」(樋口社長)と話した。

また、タブレット端末はどのOSに期待しているかというIDC Japanの調査を例に挙げ「回答者の過半数にWindowsは支持されている」とWindows 8搭載タブレット端末に対する需要が高まっている現状を説明。また、「名前の公表を了解いただいている企業だけでも明治安田生命保険が3万台、パソナが5000台、ムビチケが全国の店舗に案内用などとして導入いただいている」と語った。

タブレット端末で検討するOSはWindowsが優勢

北國銀行 代表取締役 前田 純一専務が導入経緯を語った

また、石川県金沢市に本店を置く北國銀行はSurface Proを2300台導入。北國銀行の代表取締役 前田 純一専務が登場し、Surface Pro導入に対する期待感と、導入理由を説明した。

同銀行では、以前からIT活用に積極的で1100台の競合タブレット端末を導入していた。しかし、同銀行の本店が新店舗へ移転してIT基盤を刷新することに合わせてSurface Proへの置き換えを決定したという。

理由は3点で、1点目は「タブレット端末でありながらWindows 8 PCとして利用できるハイブリッド型端末であることが大きい。キーボードや周辺機器も従来のものが使える」(前田専務)と語った。

2点目では「IT基盤の刷新に合わせて、マイクロソフト製品への統一を図った。タブレット端末専用のアプリ管理を行う必要がなく、コスト、運用の両面で効率的になることが大きい」とした。

3点目はSurface製品自体の魅力について触れ「ハードウェアの質が高い。ディスプレイがフルHDという点は営業活動を行う上で大きなメリットで、商品訴求力の向上にも繋がると思う。また、ペン入力をサポートしていることで、契約時のサインもタブレット端末で完結できる」と大きな期待を寄せていた。

Windows 8.1の紹介も

また、認定リセラーである「ウチダスペクトラム」「大塚商会」「キヤノンマーケティングジャパン」「日立システムズ」「富士ソフト」「リコージャパン」の6社役員が登壇し、それぞれのSurface製品に対する期待と、提供形態について説明を行った。

リコージャパンの窪田 大介専務執行役員は「Windows XPのサポート終了に合わせ、4月の時点で1400万台というPC買い換え需要があった。昨年度はリコーとして60万台のPCを販売し、今年は買い換え需要を見据えて販売目標を70万台に引き上げた。ただ、需要は非常に旺盛でこのまま行くと80万台に達する。また、Windowsタブレット端末については当初目標を2万台としていたが、マイクロソフトや各メーカーのタブレット端末への意気込みを見ると10万台は行くのではないか」と市場見通しについてコメントしていた。

その後、日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部の藤本 恭史本部長がWindows 8.1の法人向け機能について紹介を行った。

藤本氏は、法人ユーザーのWindows 8.1を導入するメリットとして「ユーザーエクスペリエンスの強化」や「企業向けWindows 8アプリの拡大」「モバイルおよびBYODの強化」「最新テクノロジーへの対応」「エンタープライズセキュリティ」の5点を挙げ、概要を説明。

また、POSデバイスとの連携デモを披露し、「これまで提供されてきたWindowsと連携できるBluetooth搭載のPOSデバイスをそのまま利用できる。Windows 8アプリの提供拡大により、タブレットに最適化された扱いやすいUIで操作が可能になった」と語り、カードリーダーでのクレジットカード読み取りや決済時のサイン入力といった決済作業をSurface Proで行う様子を示した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部 藤本 恭史本部長

Windows 8.1の強化点

POSスキャナーで商品の読み取り

Surface Proでペン入力を行っていた