平塚市美術館、NHK横浜放送局、NHKプロモーションは、月刊「こどものとも」を中心に、子どもがはじめて出会う美術として絵本の原画を紹介する「はじめての美術 絵本原画の世界2013」を開催する。開催期間は9月8日まで(月曜は休館)、開場時間は9:30~18:00(最終入場は17:30まで)。会場は平塚市美術館、入場料は一般800円、高校・大学生500円、中学生以下、および毎週土曜に来館した高校生は無料。

山脇百合子「ぐりとぐらのうたうた12つき」2003年(宮城県美術館蔵)

同展では、宮城県美術館の絵本原画コレクションより、福音館書店の月刊「こどものとも」の絵本を中心に、1950年代から2000年代にわたって出版された人気の高い26作家、44冊の絵本の原画約300点を展示する。1956年に創刊された「こどものとも」は、子どもの想像力を喚起する絵本作りをおこなっており、横長の版型や一冊一話完結型の物語絵本など、当時としては新しいスタイルを次々と生み出した。

また、"子どもがはじめて出会う美術"ともいえる、芸術家が手がけた作品も多数誕生した。創刊号「ビップとちょうちょう」を手がけたのは日本画家の堀文子であり、彫刻家・佐藤忠良が描いた「おおきなかぶ」は世代を超えて読み継がれている。この他にも、「ぐりとぐら」(山脇百合子)シリーズや、「おしゃべりなたまごやき」(長新太)、「はじめてのおつかい」(林明子)などの名作が並ぶ。

佐藤忠良「おおきなかぶ」1962年(宮城県美術館蔵)

堀文子「ビップとちょうちょう」1956年(宮城県美術館蔵)

なお、宮城県美術館は1998年から現在までに約500タイトル、約1万枚もの絵本原画を収集している。絵本の原画は、紙に水彩などで描かれたデリケートなものが多く、収集される以前は捨てられたり行方不明になってしまうことも多かったため、貴重なコレクションとなっている。