スペインのAraclon Biotechは6月4日(現地時間)、同社が開発中のアルツハイマー病の主要因とされる「アミロイドβ」の量を測定するため検査法「ABtest40」および「ABtest42」において、健常者と軽度認知症(記憶喪失が認められる最初期段階)患者との比較において、ペプチドのレベルと病気の間に高いレベルの相関性を見出すことに成功したと発表した。

成果は、Araclon Biotechの創立者で最高科学責任者(CSO)であるマヌエル・サラサ教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、7月に「Journal of Alzheimer's Disease」に掲載される予定だ。

アルツハイマー病は日本でも問題となっているが、世界でも同様であり、全世界には3600万人の患者がいると推定されている。しかも、その内の約75%は信頼できる診断を受けておらず、この状況が現在および将来の患者の生活に及ぼす影響は大きいと懸念されているところだ。

アルツハイマー病の主要因は、体内に自然に存在するペプチドの「アミロイドβ」が脳に溜まってしまうこととされており、多くの研究が現在はその説を支持している。ただし、アミロイドβが蓄積する仕組みは現在のところ解明されておらず、何らかの理由でもって蓄積し、そして何年かの期間を経て、記憶の不調などの症状を生じさせてしまうというわけだ。

サラサ教授は、「プラズマ中で遊離した場合、プラズマ構成部分と結合した場合、血液細胞と結合した場合の血液中の3レベルで、最も重要なペプチドの内の2つであるアミロイドβ40とアミロイドβ42を測定し、これらの割合を確立された診断法と比較することによって、アミロイドβのレベルと病気の関係を一貫して示すことができました」と語っている。

さらに、同教授は「今回の成果は、アルツハイマー病において信頼できる最低侵襲のバイオマーカーを入手できる状況に大きく近づいたことを意味しています。このことの重要性は、研究用の患者募集をより早く、はるかに少ない経費でできるという点にありあります。インターベンション療法を病気の早い段階で試験することができ、有効な療法が発見されれば、このタイプの検査は公共保健分野での住民検査に好適なものになるでしょう」と述べている。

サラサ教授は255人の患者を対象にしたより大規模な多国籍研究が行われていることを明らかにしており、Grifols企業グループの一部であるAraclon Biotechも世界各地の同様の患者グループでこれらの結果を確認することを検討しているとした。