Texas Instruments(TI)は、小型で使いやすいパッケージに封止し、ノイズ特性に優れ、PSRR(電源リップル除去比)が高い、高出力電流LDO(低ドロップアウト)リニア・レギュレータとして出力電流250mA品「LP5907」と同800mA品「LP38798」を発表した。

2製品ともに10Hz~100kHzの帯域において10μVrms未満の出力ノイズ特性を提供することから、広範な高性能アプリケーションにおいて、電源ノイズ除去用の高価で大きいフィルタ部品を不要にすることができる。

また、LP5907は、0.65mm×0.65mm×0.40mmのmicro SMDパッケージを採用した製品で、携帯電話、タブレット、Wi-FiデバイスのRFおよびアナログ回路要件に対応しており、バイパス・コンデンサなしで、高いノイズ特性を実現できることから、出力コンデンサのリモート配置を可能にする。1μFの入出力セラミック・コンデンサを使用した動作向けに設計されており、同社のオンライン設計支援ツール「WEBENCH」を使うことで、設計プロセスの簡素化と迅速化を実現できるという。

一方のLP38798は、基地局などのアプリケーションの敏感なRFやアナログ回路の各要件に対応しており、ユニークなリニア・トポロジによって、スイッチング電源のスイッチング周波数において、5μVrms未満の低出力ノイズと10kHz時に90dBの高PSRR特性を実現することが可能。セラミックとタンタルの両方の出力コンデンサに対して安定性が高く、1μFと最小の出力容量で安定動作が可能なほか、パッケージも4mm×4mm×0.8mmのWSONパッケージを採用している。

なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、LP5907は5ピン SOT-23、4ピン micro SMD、4ピン DSBGAの各パッケージで供給され、1000個受注時の単価(参考価格)は0.23ドル。LP38798は放熱用のサーマルパッド付きの12ピンWSONパッケージで供給され、1000個受注時の単価(同)は1.30ドルだという。

LDOリニア・レギュレータ「LP5907」と「LP38798」のイメージ