イーソルは4月19日、T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」において、デュアルコアARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサを搭載したAltera製SoCをサポートすると発表した。
μITRONのアーキテクチャと性能を引き継ぎ、POSIX仕様にも準拠した「eT-Kernelプラットフォーム」をAltera製SoCと組み合わせて利用することにより、μITRON、T-Kernel、Linuxの各資産を再利用した効率的な開発と、高いリアルタイム性と信頼性の確保が容易になる。用途として、FA・産業機器(産業用ネットワーク、モータ制御)、放送機器(キャプチャカード、ビデオ変換)、民生機器(ディスプレイ)などをターゲットにしている。
Altera製SoCは、デュアルコアARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサ、広範なペリフェラル群、メモリインタフェースで構成されるARMベースのハードプロセッサシステム(HPS)を、広帯域幅インタコネクタバックボーンによってFPGAファブリックと統合した製品。ARMプロセッサとFPGAを統合することにより、システム消費電力やコスト、ボードスペースを削減しながら、性能の向上とプログラムロジックの柔軟性が実現されている。HPSに実装されたペリフェラル群により、FPGAへの実装が不要になり、より多くのFPGAリソースをアプリケーション固有のカスタムロジックに利用できる。AlteraのSoC製品は、「Cyclone V SoC」および「Arria V SoC」ファミリで構成されている。
「eT-Kernelプラットフォーム」は、AlteraのSoCに統合されたARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサをサポートするマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を中心に、開発ツール「eBinder」、ファイルシステム、ネットワークプロトコルスタック、USBホスト/デバイススタック、グラフィックスを含む各種ミドルウェアと周辺ドライバ、およびプロフェッショナルサービスが統合されたソフトウェアプラットフォームとなっている。独自の「ブレンドスケジューリング」技術を実装したeT-Kernel Multi-Core Editionにより、ARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサ上で、対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)を混在した柔軟なシステム設計ができる。また、「eT-Kernel」は、Linuxとの高い互換性を持つPOSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、3つのスケーラブルなプロファイルで構成されているため、アプリケーションの規模と機能に合わせた最適なものを選択できる。eT-Kernel Multi-Core Editionと緊密に統合された「eBinder」は、マルチコア向けソフトウェア開発で重要なマルチプログラミングと、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析を強力にサポートする様々なツールを提供する。「eBinder」の利用により、高品質なマルチコア向けソフトウェアを効率的に開発できる。