サラヴィオ化粧品は、別府温泉より採取された新種の藻類(RG藻類)から得られた糖脂質が関節炎、および、円形脱毛症の細胞実験系において、高い抗炎症作用を持つことを細胞レベルで確認したことを発表した。
同成果は同社と広島大学病院・再生医療部 味八木茂 講師および、同病院・リウマチ膠原病科 山崎聡士 助教との共同研究によるもので、詳細は3月27日から30日の間に開催された「日本薬学会 第133年会」にて発表された。
藻類は酸素発生型の光合成を行う微生物の総称で、約30億年前に地球に酸素をもたらしたのも藻類の仲間と考えられているが、そのほとんどの藻類は研究が進んでいないため、未だにその正体が明らかになっていない。
近年、そんな藻類の光合成装置に含まれる天然糖脂質が抗炎症作用に富み、医療、健康分野への応用が期待されるようになってきており、同社でも別府温泉から数々の新規藻類(RG藻類)を発見。それらのRG藻類から抽出した糖脂質を用いてスキンケアローションを開発し、被験調査を実施した結果、種々のトラブルにおいて高い効果が認められたことから今回、その作用機序についての検討が行われたという。
最初に別府温泉にて発見されたRG藻類から糖脂質を抽出・精製し、薄層クロマトグラフィ、およびガスクロマトグラフィ質量分析法により、有効成分としてモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)を同定。その後、これらを高濃度で含む糖脂質溶液(RG糖脂質)を作成することにも成功したという。
次にRG糖脂質が炎症を惹起した滑膜細胞の炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)の遺伝子発現を減少させることをリアルタイムPCR法により証明したほか、RG糖脂質が関節破壊に関与するマトリックス分解酵素MMP-3の発現量を減少させることを酵素結合免疫吸着法により証明したとする。
また、RG糖脂質が炎症を惹起した毛乳頭細胞の炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6)の量を減少させることをリアルタイムPCR法により証明したという。
なお同社では、開発したRG糖脂質を含むスキンケアローションでは、被験調査を実施したところ、高い評価を得ることができたとのことで、今後は医療品開発に向けた安全性試験、臨床研究などを展開して行く予定としている。