昭和電工は10月23日、自社のGaN系LEDエピタキシャルウェハおよびチップの製造事業を、会社分割により100%子会社であるTSオプトへ継承させることを決定し、同社との間で吸収分割契約を締結したことを発表した。
GaN系LEDは液晶テレビやノートPCのバックライト、照明などさまざまな用途があり、今後も多くの需要が見込まれているが、性能としては、さらなる省エネルギー化や低価格化が求められており、そうしたニーズに対応するために高輝度化や生産効率向上などの技術開発と供給力の拡大が求められていた。
こうした市場環境への対応と事業の維持強化のため、同社はGaN系LED事業大手の1社である豊田合成と当該事業の合弁事業として運営していくことに基本合意。その一連の流れとして、2012年12月1日付でTSオプトに当該事業を会社分割による事業継承を実施し、同日付で普通株式70%を豊田合成へ譲渡し、同社を合弁会社とすることにしたという。
分割方式は、昭和電工を分割会社とし、TSオプトを継承会社とする吸収分割(物的分割)で、TSオプトは昭和電工に普通株式19400株を交付する予定。昭和電工ではこれに併せて2014年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)を発行しているという。
なお当該部門の売上高は2011年12月31日時点で53億2200万円で、販売に関してはTSオプトに継承しないものの、昭和電工でのGaN系LED製品の販売は原則として効力発生日をもって終了する予定としているが、この吸収分割が連結および単体の業績に与える影響は軽微だとしている。