Texas Instruments(TI)は、IGBTおよびMOSFET向けに、同様のフォトカプラ型の競合製品と比較して40%高速な2.5A絶縁型ゲート・ドライバ「ISO5500」を発表した。

同製品のTTLロジック入力と出力のパワー・ステージは、SiO2絶縁バリアにより分離されており、フォトカプラや磁気アイソレータ製品と比較して、デバイス寿命を倍増することが可能だ。絶縁型電源と組み合わせて使用することで、高電圧やグラウンドからの絶縁を提供すると同時に、ノイズ電流のローカル・グラウンドからの流入を阻止し、敏感な回路との干渉や、その損傷を防止することが可能となる。

また、伝搬遅延は最大300nsであり、これによりモーター制御を高速化することが可能になるほか、デバイス間スキューはフォトカプラ式ゲート・ドライバ製品と比較して80%短縮となる最大45nsを実現しており、モーター制御や電源インバータなどのHブリッジ・アプリケーションで正確なスイッチング性能を確保することが可能となっている。

さらにすべてのピンで4kVのESD(静電気放電)耐性を提供しており、これにより高い信頼性を確保し、過酷な動作環境でのデバイスの損傷を防止することが可能となっている。

加えて、3.3Vと5V電源をサポートしているため、1種類のデバイスにより各種3.3Vと5Vアプリケーションへの対応が可能なほか、レベル・トランスレータを不要にすることができるため、システム・コストと部品点数を削減することができる。

なお同製品は10.3mm角の16ピンSOICパッケージですでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価(参考価格)は3.00ドルとなっている。また、デバイス・パラメータの評価が可能で、基板レイアウトの参考になる評価モジュール「ISO5500EVM」も49ドル(参考価格)にて入手可能となっている。

TIの2.5A絶縁型ゲート・ドライバ「ISO5500」