浜松ホトニクスは9月27日、超小型で高性能な、電磁式駆動のレーザー走査型MEMSミラーを開発したことを発表した。
同製品は、独自のMEMSプロセスを活用したもので、1次元タイプと2次元タイプの2タイプを用意。電磁式駆動を採用し、ミラーの下に強磁石を配置したことで、小型ながら低消費電力と5V駆動を実現したという。
また、ミラー表面の反射膜材料の最適化により、反射率95%を実現。高速軸にミラー位置センサを内蔵することで、レーザースキャン角度を直線性良く駆動させることが可能となっている。
これにより2次元共振タイプの場合でも光学的振れ角24°の光学的走査角度で、共振周波数22kHzの高速スキャンが可能だという。
1次元共振タイプは、1mm径のミラーサイズ、2種類の共振周波数、1次元非共振(固定)タイプは、2.6mm径と1.1 mm×4.1mmの2種類のミラー形状が用意される予定。固定タイプは、任意の位置でミラーを止めたり、スピードを変化させたりすることができる仕様だ。一方の2次元共振タイプは、0.9mm×1mmの楕円形のミラーからなり、高速軸は共振モードで低速軸は非共振モードで動作させる仕様となっている。
応用先としては、車載用ヘッドアップディスプレイ、携帯電話やノートパソコン用の超小型プロジェクタ、レーザー走査装置などが想定されており、国内外の家電、車載電装、計測機器メーカー向けに2013年1月よりサンプルの出荷を開始する予定としている。サンプル価格は4万2000円からとなっており、同社では販売1年目で1億円、5年後には10億円の売り上げを目指すとしている。