パナソニック デバイス社は9月20日、スマートフォンやタブレットのカメラ向けに1/3.06型13MピクセルのSmartFSIイメージセンサ「MN34130」を開発し、2012年12月より量産を開始することを発表した。
同製品は3230el/lx/sec/μm2の感度を実現しており、これにより、スマートフォンなどのモバイル端末搭載カメラの高画素化を可能とした。SmartFSI技術は、画素ごとに光隔壁と光導波路からなる独自の集光構造で、「MN34130」ではさらにフォトダイオードの構造も改良することで、画素面積を従来の1.77μm2から1.25μm2へと約30%縮小させながら高感度を維持した。
また、画素アンプの高感度化とトランジスタの低ノイズ化により、従来比2倍の高S/Nを実現するとともに、独自の集光構造と偽色が少なく色再現の良いRGB(赤/緑/青)画素配列により、デジタルカメラ並みの高S/Nと高色再現性を実現し、暗所でも明るくかつ被写体の色を忠実に再現できるようにした。
夜景や暗い室内での撮影では、カメラの感度を上げて撮影する必要がある。感度を上げると撮影した画像は明るくなるが、ノイズの影響が目立ち、ざらつき感が出る。今回のSmartFSIでは、画素アンプのノイズを従来の50%に低減。これにより、感度を2倍に高感度化したことと等価の従来比2倍のS/Nを実現し、夜景や暗い室内でも細部まで高い解像感を保ったまま撮影することが可能となった。
さらに、SmartFSIの集光構造により、入射光を設計どおりに曲げることが可能となった。これにより、イメージセンサに入射する光の入射角特性を最大40度にまで拡大でき、レンズとイメージセンサの距離を小さくすることができ、理論的にはカメラモジュールの厚さを、一般的な裏面照射型MOSイメージセンサに対して70%まで薄くできるようになるという。