ゼットエムピー(ZMP)は、トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」をベース車両としたカーロボティクス・プラットフォームの最上位機種「RoboCar HV」(画像1)の販売を開始したことを発表した。なお、今回のベース車両にはプリウスを採用しているが、要望に応じてほかの車両も対応できるとしている。

画像1。プリウスベースのRoboCar HV。デザインは、「世界と結びつくクラウド・ロボカー」をテーマに現代芸術家・アートディレクターの原神一氏が手がけた

RoboCar HVは車載ネットワーク「CAN(Control Area Network)」を介して、ベース車両に搭載されているセンサ情報を取得でき、かつZMP独自のコントローラによって制御可能な、研究開発向けの実験車両だ(画像2)。

CAN情報の取得が可能なセンサ情報は、速度、エンジン回転数、四輪速度、ハンドル回転量、バッテリ情報(SOC、温度)、シフトポジション、加速度、角速度、方位など(画像3)。

画像2。RoboCar HVのシステム構成

画像3。ユーザーインタフェース

制御可能な要素は、ステアリング、アクセル、ブレーキ。それらをコントロールする「ZMP制御BOX」でユーザプログラムやシステムを追加し、実行可能だ。

そのほか、自動制御モードとマニュアルモードの切り替えができ、安全装置も搭載。オプションで、ステレオカメラやレーザレンジセンサなどの外界センサを搭載することもできる。

用途としては、センサ、カーナビなどの自社デバイスの評価、車載通信や車車間通信、運転支援技術、自律走行技術などの研究開発などだ。

販売価格は、税別で1200万円からとなっている。

また、今回のプリウスベースのRoboCar HVには、ZMPの自律移動音楽ロボット「miuro」(画像4)をデザインした現代芸術家・アートディレクターの原神一氏(安室奈美恵や浜崎あゆみなど、大物ミュージシャンのCDジャケットなども手がけており、その総売上枚数は1億枚強)による、「世界と結びつくクラウド・ロボカー」をテーマにしたデザインが施されている。