ソニーは、フルHD(1920×1080)での130dBを実現したワイドダイナミックレンジにより、視認性を向上させた最高画質の統合高画質信号処理システム「IPELA ENGINE(イペラ エンジン)」を開発したことを発表した。同システムと、さらなる高速な信号読み出しと低ノイズ化を実現した新「Exmor(エクスモア) CMOSイメージセンサ」を組み合わせることで、業界最高クラスの画質を実現できるという。2012年秋より順次製品に搭載していく予定。
IPELA ENGINEは、View-DR(ビューディーアール)、ハイフレームレート、DEPA Advanced(ディーパアドバンスト)、XDNR(エクセレントダイナミックノイズリダクション)の主に4つのコンポーネントから構成される同社独自の信号処理および画像解析技術による統合高画質信号処理システムの総称であり、最高画質のセキュリティカメラの高品位な映像、画像解析力、品質を表す新たなコンセプトとなる。
View-DRは、1つのフレーム内で異なるシャッタースピードの画像を合成して、明暗部のコントラスト補正、諧調補正を行うことで明暗部を高精細に表現し、視認性を飛躍的に向上する。これにより、フルHDでの130dBのワイドダイナミックレンジを実現した。
ハイフレームレートは、フルHDの高精細映像を従来のフレーム数の倍にあたる60コマ/秒の高速記録を行うことでより滑らかな映像での撮影を可能とした。
DEPA Advancedは、画像処理を用いたアラーム検知機能で、動体検知、人物検知、妨害検知などの機能を向上した。
XDNRは、1枚フレーム内のノイズ検出、除去や連続する前後のフレームの差分信号のノイズ除去などで、低照度時に鮮明な画像を生成する。
同社では、同システムを2012年秋より順次製品に搭載していく方針。自社開発のCMOSイメージセンサと信号処理システムをネットワークカメラの差異化を図れる優位点として積極的に製品に搭載し、「The Technology Makes a Difference.」をスローガンとして、成長領域、注力事業であるセキュリティカメラの事業拡大を図る。