STMicroelectronicsは、生活家電の電力効率を向上させる超小型モータドライバモジュールIC「SLLIMM(Small Low-Loss Intelligent Molded Modules)シリーズ」の新製品として「STGIPN3H60」および「STGIPN3H60A」の2品種を発表した。

STGIPN3H60およびSTGIPN3H60Aは、単一モジュールICとして中央のマイクロコントローラ(マイコン)とモータ間に直接接続され、生活家電用モータドライバ向け高性能パワーモジュールIC「SLIMM」のポートフォリオを拡充するもの。通常、30個以上の個別部品を必要とする従来のモータドライバと比較した場合、同社のモジュール型ソリューションは設計の簡略化と部品数の削減により、低価格化、小型化、信頼性の向上および電磁波ノイズ(EMI)の低減を実現する。そのため、これらのモジュールICは、取付けスペースに制限のある小型組込みモータアプリケーションにも適しているという。

両製品とも29.15mm×12.45mmの26ピンNIDPパッケージで提供され、同社の同種の製品として最小となる。

各モジュールICの内部には、高電圧ゲートドライバとIGBTパワースイッチを含む完全な3相ハーフブリッジに加え、フリーホイールダイオードとブートストラップダイオードが内蔵されている。内蔵IGBTレンジは600V/3Aとなっている。ブートストラップダイオードは、ドライバモジュールICの起動時にモータ側の高電圧回路への給電を行う。独自の特許取得済み技術を採用して、1つのモジュールICに集積することにより、外付け部品数をさらに削減する。

STGIPN3H60Aは、価格が重要なアプリケーションに、基本的なモータ駆動機能を提供する。STGIPN3H60の追加機能にはオペアンプが含まれており、フィールド指向制御(FOC)システムのクローズドループで検知したモータ電流をマイコンにフィードバックするために使用できる。また、過熱または過電流シャットダウンに用いるためのコンパレータも内蔵している。STGIPN3H60は、障害通知の生成、または非常時に200ナノ秒以内でドライバの安全なシャットダウンが可能なスマートシャットダウン機能も備えている。

なお、両製品とも現在量産中で、1000個購入時の単価は、STGIPN3H60Aが5.8ドル、STGIPN3H60が6.0ドルとなっている。